ある日、私がお世話になっています時計店に、あるお客様がいらっしゃいました。内容を聞くと使っている腕時計が、遅れだしたとのことです。
電池の電圧を調べると少なくなっており、「電池の交換」をする事になりました。各段珍しい事ではなかったこともあったので、私自身は黙々と自分の作業をしていました。
間もなく電池の交換も終わり、お客様に時計を渡すとある質問がきます。
「時計の電池はどれくらい持ちますか?3ヶ月位?」
3ヶ月なんてそんな短い期間で電池が切れる事なんて…と思いますが電池交換をした腕時計はそれくらいしか使っていないとの事でした。
お客様には2~3年は持つから安心して、使って下さいとお伝えし腕時計を渡した次第です。何故買ったばかりの腕時計の電池が、そんなに早く切れてしまったのでしょうか。
故障?電池交換したら正常に動きだしたので別に原因がありそうです。今回は買ったばかりの時計が遅れだす原因について解説していきたいと思います。
クオーツ式の腕時計が、遅れている場合は電池の残量が少なくなっている可能性が大きい(電池切れ間近)
腕時計がクオーツ式の場合はまず電池が、切れかかっている事から疑ってみるのが良いです。
電池寿命は2~3年はあるのでは?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに電池の寿命はそれくらい持ちます。しかし電池は腕時計に設置した時点で消費していく事になります。
通常腕時計は、電池を入れた状態で店頭に並んでいます。店頭に並んでいる間も電池は消費する事になりますので、徐々に電力は減っていきます。
長期間売れずにいたものを購入した場合も、電池交換をした上で渡してくれる訳ではありません。時計によっては、防水加工が施されている可能性があるからです。
安易に開けてしまえば、防水機能が失われてしまうかもしれません。その為、現状のまま渡す事になる訳ですが…
そうなっきますと店頭に並んですぐに買った場合と、店頭のショーケースにある期間保管された物を購入した場合とでは、間違いなく電池の残量に差があります。
もし何年も店頭に並んでいた腕時計を購入したとすれば…いつ電池が切れてしまうか分からないですね。購入して間もなくても電池の交換時期にきている事も、可能性としてはありえます。
クオーツ式の腕時計の場合は、まず「電池切れ」の可能性から疑っていくと良いです。
クオーツ式の腕時計であっても初期不良の可能性はある
電池切れの可能性が高い事はお話しましたが、初期不良の可能性もなくはありません。クオーツ式といっても、精密機械に変わりはないからです。
どんな家電でも保証期間はついています。精巧に作られた製品であっても、ある確率で初期不良の可能性はあるものではないでしょうか。クオーツ式も同様の事が言えます。
「電池残量が少なくなっている」の可能性が高い事をお話しましたが、決めつけず初期不良の可能性も考えておいた方が良いです。
厄介なのは「電池残量が少なくなっている」「初期不良」はどちらも動かなくなったり、時間が遅れてきたりと判断がつきづらいことです。
「初期不良」も視野に入れてとなると、買ったばかりの時計が遅れだしたのであれば、メーカー(販売元)修理一択といったところでしょうか。
機械式腕時計の場合は初期不良の可能性が高い
もし腕時計が手巻きや自動巻きといった機械式であった場合、買って間もないのに遅れるのはほぼ初期不良と考えて良いです。
機械式腕時計はクオーツ式のように、電池を消費する訳ではありません。機械式腕時計の動力は「ぜんまい」ですが、電池のように消費していくものではありません。
「ぜんまい」は使った回数で摩耗するので、使わないでいれば消費する事はないです。その他に動作に関係する消耗品はありません。
そのためほぼ初期不良と思われて下さい。即メーカー保証で修理に出して良いかと思われます。
もし買ったばかりの腕時計が遅れていたら、販売元(メーカー)で見てもらうのがベスト
買って間もないのに腕時計が遅れてきたのであれば、まずは購入時に保証書を出した販売元で見てもらうのが良いです。
「クオーツ式」や「機械式」に関わらずメーカーで見てもらって下さい。電池切れ間近の可能性が高いと感じたとしてもメーカーで見てもらう事を推奨します。
ただ注意点もあります。電池切れの場合は、メーカー保証の対象とならない事もあります。
そのため可能であれば購入前に保証内容を確認されておくと良いかもしれません。
ただ電池切れがメーカー保証の対象外となっても、メーカーで見てもらった方が良い理由があります。腕時計によっては、防水加工が施されている事がありえるからです。
確認の為に裏蓋を開けてしまえば、防水性が損なわれるかもしれません。メーカー以外の時計修理店でも、防水テストの施設があるかもしれません。
しかし防水テストや防水の加工を行うのは、有料となってしまいます。そのため購入した腕時計が、ダイバーズウォッチや防水機能がある場合は、販売元で見てもらう方が良いです。
防水機能が優れている腕時計でもないし、高額でもないので…メーカー修理にこだわらないと思った時は
こんな理由でメーカー修理にこだわらないと思われるのでしたら、お近くの時計店で修理してもらうのもありです。
お近くの時計店は気軽に電池交換できて、料金も安いです。しかも作業時間も短いとかなり便利です。ただ時計店によって修理の腕前は様々だったりもします。
グーグル検索などで、お住まいの近くの時計店を検索すると、時計店の評判を確認できます。もしよければ評判まで確認してみては如何でしょうか。
電池交換とはいえ、大事な腕時計を任せる事になります。少しでも評判の良い店舗を選ばれた方が無難のように感じます。
買ったばかりの腕時計が中古品の場合は?
今は中古品の腕時計も気軽に購入できるようになりました。「ネットショップ」「質屋」「中古専門の時計ショップ」などインターネットから実店舗まで、色んな媒体を通じて購入できます。
そんな中古品の腕時計が買って間もないのに遅れだしたら…修理してくれるのでしょうか。まずは購入前に保証があるかの確認しておいた方がよいです。
保証内容は店舗によって違いがあります。保証期間さえも店舗によって変わってきます。因みに私が某大手の質屋で中古の腕時計を購入した時は、保証期間は1ヶ月でした。
購入した腕時計はクロノグラフだったのですが、動かしてみると一つのクロノグラフ針が動きません。
翌日質屋に持っていくと、なんと無償でオーバーホールと申し分のない対応でした。その後は故障する事なく元気に動いています。
中古品は、新品のように長期間の保証とはならない事は間違いないです。
そのため中古品の場合はすぐにでも動作の確認をして、完全動作品である事の確認をしましょう。購入前に店舗内で確認するような勢いであっても良いくらいです。
まとめ
今回は買ったばかりの腕時計が遅れた場合の原因と対処について解説してみました。
クオーツ式の腕時計の場合は、店舗にどの位の期間売れずに並んでいたかによって、電池の残量が少なくなっている事もあるようです。
実際私がお世話になっている時計店へも、買ってそんなに期間が経っていないのに「時間が遅れてきた」「止まってしまった」で持ち込まれてくる腕時計は多いです。
そしてその多くは電池を交換する事で改善しています。ただお近くの時計店で修理よりは,まず保証がある販売元で対応してもらった方が良いです。
初期不良の可能性も当然ありますし、機能面が損なわれてしまう可能性もありえます。
例えばダイバーズウォッチは防水機能売りです。裏蓋を開けてしまえば防水性能が落ちてしまうかもしれません。
中古の腕時計の場合は短い保証期間の中で、初期不良がないか機能をすべてチェックすべきです。
中古の時計ショップは、在庫の腕時計全てをオーバーホールした上で店頭に並べている訳ではありません。短い保証期間中に腕時計が持つ機能を全て確認してしまいましょう。
腕時計の修理やオーバーホールは時計店に持ち込みしなくとも、オンラインで修理の依頼ができるサービスも存在します。
受付け完了後、梱包キットが送られてくるので、キットに梱包して郵送するだけです。時計店に明日を運ばなくても済むのは楽で良いですね。
修理やオーバーホールに掛かる料金は、時計修理店にて受け取り後、お見積りという形になります。もし予算にあわないようでしたらこの時点でキャンセルも可能です。
WEB上で完結する時計修理サービス、検討してみるのも良いのではないでしょうか。
紹介します3社の共通点は、ハイレベルな技術力と圧倒的なコストパフォーマンスでお客さんを満足させるというところです。
どの業者も見積もりは無料で行ってくれます。興味を持たれましたらお気軽に問い合わせ下さい。
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リぺスタは見積り後の修理依頼率が高いというのが特徴的で、国家資格の1級時計修理技能資格を有する豊富なキャリアを積んだ職人が一つ一つ丁寧に充実した環境で作業します。特筆すべきは見積りキャンセル時に返送にかかる送料も無料である事。料金面や対応内容に不安を感じた場合もキャンセルしやすいです。料金の安さや品質に自信があるのでしょう。『修理依頼率が高い』も納得です。
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