時計修理 オーバーホール

時計のベルトはラグの幅が合うものを。ベルトの交換はラグ幅を測ってみる事から

時計のベルトは消耗品のようなもので、いずれは傷んでいきます。使用頻度にもよりますが、特に革製のベルトは交換が必要な時がきます。

いざベルトを交換しようとしても、ベルトのサイズが分からない…サイズを測るにしても身近にある定規などで、多少アバウトに測ってしまって大丈夫?と交換した事がないと多少不安なものです。

今回は時計のベルトサイズの測り方から外し方、交換のコツについて解説していきたいと思います。

ベルトのサイズはラグ幅を計測してみるとわかる

ラグ幅の位置を強調した画像時計ケースの上下に突き出ている4本の足をラグと呼びます。このラグに挟まるように、ベルトは取り付けられているのです。つまりラグ間のサイズイコールベルト幅となります。

一般的にはメンズですとラグ幅は18ミリ~22ミリ、レディースは10ミリ~16ミリが平均的なサイズです。2ミリ区切りの偶数サイズとなっている事が多いようです。

奇数のサイズもなくはありませんが、ビンテージ品の古い時計である事が多いです。現行の時計ではあまり気にしなくて良いと思います。

時計のラグ幅の測り方は?

三角定規などの画像ラグ幅の内径を測る道具ですが、基本的にはミリ単位で測れるものがあれば何でも大丈夫です。身近なものですと定規などでしょうか。

私自身も最初は三角定規を使っていました。プラスチック製の「ノギス」を使っていた時期もあります。プラスチック製を選んだ理由は、金属製だと誤って傷を付けてしまわないか心配だったからです。

ノギスの画像▲ノギス

ノギスの場合は、ラグの内側にノギスのクチバシをセットして広げるだけでしたので、結構便利でした。

現在はベルト測定用の専用の定規、「ミリ幅定規」を使っています。ラグの内径にピッタリ入る幅をあてて探すのみですので、とても簡単です。

ミリ幅定規の画像▲ミリ幅定規

ただ一度測れば分かってしまうラグ幅を測るために、専門の定規まで購入となると少々もったいなくも感じます。ベルトのラグを測る以外使いようもないので…

ミリ単位で測定できるのであれば、定規やノギス等などで十分代用はききます。ラグの内径に合わせて計ってみましょう。

時計のベルトのサイズはラグ幅の合うものを選択する

ラグ幅が分かれば、そのサイズのベルトを準備し交換すればなんの問題もないです。ラグ幅が18ミリだった場合は、18ミリのベルトを選ばれて下さい。

このとき少し小さすぎたり、逆に大きすぎたりした場合は大丈夫なものなのでしょうか。

つける事はできるかもしれませんが、やはりベルトはラグ幅のサイズ通りのベルトサイズを使っていた方が良いです。

小さすぎるとラグとベルトの間に隙間ができてしまい、見た目が良くありません。大きすぎると金属製ベルトだともちろんラグに収まりません。革製ですと無理に押し込む事はできるかもしれませんが、ベルトにしわができたりします。

ベルトに隙間があったり、しわがよってたりすると使っていても気になりますよね。

更にいいますと大きすぎると、ラグの内側を痛めてしまう事もあります。金メッキ製のケースの場合、メッキがはがれてしまう事もありえます。

現代の時計でラグを痛めているものは見た事はありませんが、ビンテージ品となりますと、ラグの内径が傷んでいる時計を見かける機会は多かったです。

その為、細すぎても大きすぎても良くありません。ジャストサイズを選択しましょう。

時計のベルトの外し方のコツ

時計のベルトは「バネ棒」を使って止められています。ラグの内側の両方に小さな穴が開いており、その穴にベルトと一緒に通す事で外れなくしているのです。

バネ棒はその名の通り、バネで伸縮する小さな金属製の棒です。バネ棒をラグの穴から外せば、ベルトが外れてくれます。

伸縮するので、ラグ幅よりも小さくなるまで押し込み縮めて外すのです。ベルト外しのコツは、バネ棒を如何にスムーズに取り外せるかにかかっています。

ではベルトを止めているバネ棒の、外し方について解説していきます。

バネ棒外しがあると作業がしやすい

バネ棒外しの画像時計のベルトを取り外す専用の工具があるのをご存知でしょうか。「バネ棒外し」という工具になります。

こちらは時計のベルトを外す専用の工具だけあって、スムーズに取り外しが行えます。

細い金属ですので、ベルトの隙間に差し込みやすく、また先端のくぎ抜きの様な形状をした刃先は、バネ棒にフックしやすく作業がかなり楽です。

バネ棒外しの刃先の画像▲バネ棒外しの刃先

特に革製のベルトは取り外しがしやすいです。ラグとベルトの間に隙間がなくとも、革製だと少々無理しても押し込む事ができます。

逆に金属製のベルトとなると、バネ棒外しを差し込む隙間が見つけられず、慣れていないと少々苦労するかもしれません。

ベルトを外すのは頻繁に発生する事でもないので、わざわざバネ棒外しを買ってまで?とも思われるかもしれませんが、バネ棒外しは高価ではありません。

時計を傷つけない、またストレスなく作業するのに用意していても良いのではないでしょうか。

バネ棒が外れない場合は油をさしてみる

「バネ棒」は金属製となります。伸縮する部分も金属製だけに、長年取り外しを行わないと固着して伸縮しなくなっている事があります。

固着した状態だと、バネ棒外しを使ったとしてもびくともしません。バネ棒が全く伸縮しない場合は、油を差してみると復活する事があります。

油をさして、固着している伸縮部分の潤滑剤とするのです。

バネ棒が固着してしまう現象は、ビンテージ時計など古い時計で発生する事が多いです。油を差しても効果がない事もあります。

因みに油をさしても駄目な場合は、ペンチでバネ棒をねじ切って取り除くという、荒業が必要になってきます

とはいえバネ棒が外れない場合、油をさしてみるのは有効な手段です。10分程置いておき、再度取り外してみるとすんなりと外れてくれるかもしれません。

身近にあるもので時計のベルトは外せる?

バネ棒外しの代用として使えるものは、マイナスドライバーが使えます。ドライバーも通常のサイズではなく、小さな精密ドライバーが良いです。

要はベルトとラグの隙間に差し込む事ができなければなりません。そのためなるべく細く小さい方が良いです。

精密ドライバーと聞くと、高そうなイメージがあるかもしれませんが、そんな事はありません。ダイソーなどの100円ショップでも売っていますので、購入しやすいです。

精密ドライバーを使う際は、バネ棒外しのように刃先がうまく引っかかってくれないので、滑って手を怪我しないように注意されて下さい。

私自身、ベルトを外していて何度か怪我した事があります。しかもバネ棒外しを使っていてです…

怪我防止のためには、タオル等で時計を包んで作業すると滑っても安心です。

マイナスドライバーに限らず、ラグとベルトの隙間に入りこむ事のできるものであれば、代用はきくかと思われます。

時計ベルトを交換する際に注意したい点

▲オメガのロゴが入った純正尾錠

前の章と重複しますが、怪我をしないように注意する事です。それともう1点あります。特に革製のベルトになりますが、純正の留め具(尾錠)を古いベルトと一緒に捨ててしまわない事です。

ブランド品の時計になると、尾錠もブランドのロゴの入った純正品である事があります。高級ブランドの尾錠は貴重で、捨ててしまうのはもったいない限りです。

そのため純正の尾錠でしたら、新しいベルトに交換する際は、ラグ側のサイズと尾錠側のサイズを測り両方のサイズがあうベルトを購入しましょう。

尾錠の取り外しは、バネ棒外しであれば簡単に外せます。バネ棒外しは、くぎ抜きの形状の反対側は細い棒状になっています。

細い棒状側を、尾錠の側面のバネ棒と止めている部分に差し込む事で外れてくれます。

ベルトの取り外しに加えて、尾錠(留め具)も取り外すとなると結構手間かもしれません。しかし純正尾錠は貴重ですので、なくさないよう注意されてください。

まとめ

今回は時計のラグの測り方から、サイズの合うベルトの選び方、時計からベルトを外す方法について解説してみました。

ラグ幅のサイズは身近なもので測れるので、拍子抜けされたされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。因みに私自身は、ノギスが一番使いやすかったです。

ベルトを外す際は「バネ棒外し」があると便利でした。しかしバネ棒外しは、時計のベルトを外す工具として特化したもので、他に使いようがありません。

ベルトは滅多に外す事もないので、工具を購入するのはもったいないと感じたりするのであれば、マイナスドライバーなどで代用すると良いです。

最後にベルトを外す際の注意点です。

  1. 怪我をしないように注意する
  2. 革製のベルトであれば、純正の留め具ではないか確認する

ベルトを外す位で怪我なんて…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、鋭利な刃先があるものを差し込んで作業します。

手元が狂って自分自身手にあたってしまう事はありえます。慎重に作業されてください。

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