オメガのオーナーとなり時計を使い続けていると、気になってくるのは「オーバーホール」ではないでしょうか。長年使っていますと、時計に愛着が湧いてきますよね。
また、入手する時の決断に至った経緯、例えば頑張った自分へのご褒美だとか、親御さんや親族の方から引き継いだ時計等の思い入れがあれば、特にいつまでも大切にしたい思いもあるのではないでしょうか。
そんな大事なオメガの時計だけに、末永く使いたいですね。腕時計を長く使い続けるには、やはりオーバーホールは必須となります。
ただオーバーホールといっても、店舗の選択肢がありすぎてどこに任せたら良いか迷ったりしませんか。正規メーカー、時計修理専門店、お近くの時計店等…店舗によっては家電量販店でもオーバーホールを受け付けていたりします。
オーバーホール料金もそれぞれの店舗によって違っています。一番安いお店を探したい所ですが安すぎると、「安物買いの銭失い」となってしまわないだろうか…
かといって正規メーカーでは料金が高すぎて維持費の面がネックに…と高くても安くても悩んでしまいます。しかし大事なオメガだけに優良な修理業者に任せたいですね。
今回は、お得にオーバーホールをできるお店選びと、オメガのオーバーホールの料金について紹介していきます。
オメガの時計はどうしてオーバーホールは必要なの?
オメガの時計でも、機械式のムーブメント(時計の動作を司る部分)を搭載したモデルは特にオーバーホールを意識してしまうのではないでしょうか。
機械式ムーブメントは金属部品の集合体です。金属同士が接触している箇所には、油を指す事でスムーズに動くようになっています。潤滑油の役割をしているのです。
この潤滑油は、年月が過ぎると乾いてきます。厳密にいうと酸化して固まってきているのですが、潤滑油の役割をしなくなった状態になってきますと、時計に不具合が発生してくるのです。
時間が遅れてきたり、場合によっては止まったり等…また油が酸化した状態で使い続ければ、部品も摩耗してしまいます。
ですので長年使ってきた事で酸化してしまった油を洗い落とし、クリーニングを行い再度注油しつつ組み立てる「オーバーホール」が必要になってくるのです。
また普段腕回りに巻いて使っていますので、人間の油や皮脂による汚れの付着も気になる所です。
しっかりとした作りのケースであっても、汗等の湿気が内部に侵入する事はありえます。特に時計を操作する、竜頭回り(3時位置の突起)に錆びの付着が多いです。
湿気の侵入を防ぐ仕組みとして、ネジ込み式竜頭があります。竜頭自体にネジ山が切られており、ネジを巻きロックする事で湿気の侵入を防ぐのです。
まだこの仕組みがあれば、安心できますがついていないモデルもあるのです。
例えばオメガの人気のモデルである「スピードマスター」は、ネジ込み竜頭ではないモデルも存在します。もしこのモデルをお持ちでしたらご確認下さい。
因みに私が持っています「スピードマスター」はねじ込み式竜頭ではありません。購入時、「手を洗う際は、可能であれば外して下さい」との事でした。
このように日々使用する事で、オメガに負担が掛かっている事もあるのです。
ですので油が酸化してしまっていないか、内部に錆びが侵入していないか等を点検する意味も含めてオーバーホールは必須になってきます。
また部品が傷んでいないかの状態を確認するにも、時計を分解しない事には把握できません。オーバーホールを行う意義は大きいのです。
クオーツ式時計のオメガもオーバーホールは必要?
オメガは機械式ムーブメントモデルだけでなく、クオーツ式ムーブメントのモデルも存在します。オメガの多くのモデルでクオーツ式を見かけますので、見かける機会は多いと思われます。
オメガのクオーツ式腕時計ですが、機械式ムーブメントモデルと同様にオーバーホールは必要となります。
クオーツ式ムーブメントですと、クオーツ水晶体等の電子部品を想像しがちですが、歯車類の機械部品も含まれているのです。特に時計の針を動かす部分に、歯車類の機械部品が組み込まれています。
機械部品を含まれているという事は、機械部品が絡みあう箇所には潤滑油が必要になります。油が酸化する事により、内部の部品に負担がかかったりするのは、機械式ムーブメントと同様なのです。
潤滑油が酸化してくると、クオーツ式ムーブメントであっても動作に異常をきたす事はありえます。
分かりやすいのは、「電池の減り具合が早くなった」「実際の時間よりも遅れてきた」等です。どちらも精度の高いクオーツですので、判断しやすいのではないでしょうか。
クオーツ式は精度が高く、いつも快調に動作していますのでオーバーホールと聞いてもピンとこないかもしれません。
しかし年数が経つと、どうしても潤滑油は酸化しますし時計内部には何かしらのダメージを受けている可能性があります。
クオーツ式のオメガであっても、定期的なオーバーホールは必須なのです。
オメガは正規品、並行輸入品でオーバーホールの料金は変わってくる?
「正規品」「並行輸入品」の違いで、正規メーカーでの修理やオーバーホールの料金が変わってくる時計ブランドが存在する事をご存じでしょうか。
並行輸入品で購入した時計が、正規メーカーでオーバーホールを受ける際に正規品と比べて料金が高くなってしまう事があります。
因みに正規品と並行輸入品の違いはこちらになります。
正規品 | オメガの正規代理店や直営店が販売しているもの |
並行輸入品 | 直営店から輸入業者を経由して販売しているもの |
結果から話しますとオメガの場合は、「正規品」「並行輸入品」であっても、修理やオーバーホールの料金は変わりません。並行輸入品であっても手厚いサポートが受けられます。
正規品と並行輸入品でサポートに差がある時計ブランドを表にまとめてみましょう。
修理料金に差があるブランド | ブライトリング、タグホイヤー、ウブロ、ゼニス、フランクミュラー |
修理料金に差がないブランド | ロレックス、パテックフィリップ、オメガ、ロンジン、ブレゲ、カルティエ、IWC、パネライ、ブルガリ |
表で確認する限り、タグホイヤー(TAG HEUER)やウブロ(HUBLOT)等の「LVMHグループ」に属するブランドが修理、オーバーホール料金に差があるようです。
一方、オメガ(OMEGA)やロンジン(LONGINESS)を代表する「スウォッチグループ」は、料金に差がない事が確認できます。オメガのご購入を考えていらっしゃるのであれば朗報ですね。
オメガの場合は正規、並行輸入品で料金に差がありません。差がない分、オーバーホールに正規メーカーを選択する事も視野に入ってくるのではないでしょうか。
お得に購入できる並行輸入品ですが、注意点があります。1点目は並行輸入品の場合は、メーカーの保証ではなく販売元の輸入店舗の保証となる事です。
並行輸入品は購入時に、保証の面を確認しておいた方がよいでしょう。因みにオメガは正規品であれば、どのモデルであっても5年の保証がついています。
2点目は並行輸入品の全てが、本物ではない可能性がある事です。並行輸入業者には規模の大きな会社から個人輸入まで様々です。
特に個人輸入や小さな店舗は注意された方が良いでしょう。規模が小さい分、間にどんな業者が入り込んでいるか分かりません。
オメガのオーバーホールの料金の相場
オメガのオーバーホールの料金の相場はこちらになります。部品交換が発生しない純粋なオーバーホールの料金です。
金属素材 | キャリバー種類 | ムーブメント | 正規メーカー | 時計修理専門店 |
非貴金属素材 | クロノグラフ以外 | クオーツ式 | \51,700~ | \28,000~ |
機械式 | \63,800~ | \38,000~ | ||
クロノグラフ | クオーツ式 | \57,200~ | \38,000~ | |
機械式 | \85,800~ | \40,000~ | ||
貴金属素材 | クロノグラフ以外 | クオーツ式 | \63,800~ | \28,000~ |
機械式 | \74,800~ | \38,000~ | ||
クロノグラフ | クオーツ式 | \80,300~ | \38,000~ | |
機械式 | \108,900~ | \40,000~ |
非貴金属素材:ステンレススチール、チタン、セラミック 貴金属素材:バイカラー、シルバー、ゴールド、プラチナ、パラジウム
部品の破損や摩耗があれば部品交換となりますが、交換部品の料金は別途加算となります。悩ましいのは部品によって値段が違ってくるところです。
交換が発生しやすい部品としては、ゼンマイやゴムパッキンです。この辺りは部品というよりは消耗品として考えておいた方が良いでしょう。
またオーバーホールの最終的な料金は、見積りに出した上で確定する事になります。ある程度分解してみないと、時計の内部の状態が把握できないためです。
料金表を確認しますと、クオーツ式腕時計よりも機械式腕時計の方が料金が高くなります。これは機械式腕時計の方が、時計内部の部品数が多く手間が掛かる為です。
クロノグラフ機能(ストップウォッチ)がついていますと、さらに部品数が増えていきますので、料金の方も比例して高くなっています。
もしこれから腕時計の購入を考えられているのであれば、使いそうにない機能がついているモデルは対象外にするなども考慮されると、後々維持していきやすいかもしれません。
オメガのコンプリートメンテナンスについて
オメガの正規のオーバーホールを「コンプリートメンテナンス」と呼びます。サービスの内容はこちらになります。
- 時計の分解
- 分解した部品の洗浄
- 摩耗した部品の交換
- ムーブメントの組み立て、注油
- ムーブメントの調整、検査
- ケースとベルト(金属製)の洗浄と研磨
- 時計ケースの組み立て、防水性テスト
- 最終検品
オメガの一流の技術者が行う高品質のオーバーホールです。サービス内容には金属ベルトやケースの研磨から防水テストまで、正にコンプリートメンテナンスと呼ぶにふさわしいサービスを行ってくれます。
オーバーホール後の保証期間も2年と、他の正規オーバーホールの保証期間と比べても長めになります。オーバーホールに自信を持っているのでしょう。
更にオメガを含んだスウォッチグループは、「ピックアップサービス」を行っております。
「ピックアップサービス」は専用のウェブサイトより申し込む事ができ、申し込むと指定した住所に時計を引き取りにきてくれるサービスです。梱包材も届けてくれ、至れり尽くせりです。
参考迄に申し込みサイトはこちらです。窓口はスウォッチグループのカスタマーセンターとなります。
ピックアップサービスもあり、正規のオーバーホールが身近に感じるオメガのコンプリートメンテナンスですが、気になる点もあります。
それは「摩耗した部品の交換」です。ゼンマイやゴムパッキン等の消耗品は許容範囲として、それ以外の部品の交換が発生した場合です。
部品の交換にかかる費用は別途になりますので、部品交換が発生した場合は料金の追加となります。交換料金も部品の種類によって変わってきます。
高額な部品となると、オーバーホールの基本料金よりも高い事もあります。民間の修理業者に比べても割高なのに、更に高額な部品交換となってしまうとオーバーホール予算も厳しいですね。
更にピックアップサービスにてオーバーホールの見積りを行った後、キャンセルすると返送時の送料は有料になるとの事です。
とはいえサービスの内容は素晴らしい限りです。防水性テストに使う検査機器も高額ですので、通常の店舗では持ち合わせていないのではないでしょうか。正規オメガであるからこそのサービスと考えても良いでしょう。
毎回オメガのコンプリートメンテナンスはお財布に厳しいかもしれません。
しかしケースの研磨を含めたオーバーホールをしたい場合や、防水性を取り戻したい等のプラスアルファでメンテナンスしたい場合であれば、正規でのオーバーホールも良いのではないでしょうか。
時計修理専門店にオメガのオーバーホールを任せる場合のお店選び方
正規メーカーと並んでオーバーホールを行ってくれるのが「時計修理専門店」です。正規メーカーが自社モデルの腕時計のみの対応となるのに対して、時計修理専門店は様々なブランドの時計を修理やオーバーホールしてくれます。
もちろんオメガのオーバーホールも受け付けています。オーバーホール料金も正規メーカー程高くもなく、時計を維持していくには最適な業者となります。
しかし時計修理専門店であればどこでも良いという訳ではありません。時計修理専門店によっては得意不得意な修理の分野があったりするからです。
また時計修理の技量の一つの指針となる「時計修理技能士」の資格は任意の資格である為、店舗によっては資格を持っていない人が作業しているのかもしれません。
資格のみで全てを判断できる訳ではありませんが、初めて修理やオーバーホールとなると預けるのは心配ですよね。
そんな中優良な店舗になると、評判もよくて正規メーカーからの下請けをしているような時計修理専門店も存在するのです。
ではオメガを安心して任せられる時計修理専門店の選び方を紹介していきます。
口コミの評判が良いお店を探してみる
修理の腕前がよくて親切な店員さんが対応してくれ、こちらの要望を限りなく聞いてくれる時計修理専門店、お探しになっているのはこのような店舗ではありませんか。
このような店舗を探すには、どうすればよいのでしょうか。ますはネットでの口コミなどの評判、ホームページ等を出していれば、店舗の規模や歴史、人材(時計修理技師)がいるのかなどを調べてみましょう。
口コミ等の評判も良く、店舗の人材等も申し分なければ次にオーバーホール後の保証期間を確認してみましょう。
保証の期間の長さは技術に自信がないとできない事です。因みに時計修理専門店の保証期間はこちらが多く設定されているようです。
時計の種類 | 保証期間 |
ビンテージ品のオメガの時計 | 3ヶ月~6ヶ月 |
現行のオメガの時計 | 6ヶ月~1年 |
現行のオメガの時計ですと、オーバーホールの保証期間は6ヶ月~1年といったところが多いと思われます。上記でも紹介しましたがオメガのコンプリートメンテナンスですと、2年間の保証です。
時計修理専門店でオーバーホールする場合も、なるべく長い保証期間が安心できます。時計修理専門店でも最長となる1年であればベストではないでしょうか。
後は可能であれば、1店舗のみではなく数店舗見積りをとってみてオーバーホール料金や預ける期間等を比べるとより安心できます。
オーバーホールの品質を左右する人材と保証の部分をますは確認していきましょう。きっと任せてもよいと思える時計修理専門店に出会えるはずです。
ネガティブな口コミも判断材料になる
時計修理専門店の評判を検索していると、時にはネガティブな口コミを探しだしてしまう事もあるかと思われます。当然ながら悪い書き込みが多い店舗は、オーバーホールの対象外となってしまいますね。
ただネガティブな口コミも、許容できる範囲なのかそうではないのかに分かれてきませんか。あまりに良い評判だけの店舗も疑わしく感じてしまいます。
時計のオーバーホールではありませんが、アマゾンの商品のやらせレビューが話題に上がった事もありました。ですのでレビューもなるべく真実味のある投稿を吟味しなければなりません。
次にいくつか評判の悪いレビューを見てみましょう。
どれもオーバーホールのトラブルで起こりがちなコメントですね。時計修理の店舗が近くにあるのであれば、直接いってみて対応をみてみるのも良いかもしれません。
精密機械だけにオーバーホール後に不具合が発生しうる事は十分にありえます。いざ不具合がでたとなった時に、店員さんに嫌な対応されたくはありませんよね。
次にオーバーホールの見積り時の金額ですが、高いと感じたら他店でも見積りしてみてはいかがでしょうか。基本的には料金に大きな差はないはずですが、稀に上記のような事も…
オーバーホール後の誤差については、機械式腕時計の誤差の許容範囲内であるかをまず確認されてみて下さい。許容範囲内であれば、時計修理点に瑕疵はないと考えましょう。
しかしオーバーホール前の精度がとても高く、どうしても気なるようでしたら相談されてみて下さい。対応の良い店舗であれば調整してくれる可能性は高いです。
まとめ
いかがでしょうか。今回はオメガのオーバーホールの料金の相場やオーバーホールに出す店舗の選び方について紹介しました。
ではおさらしていきます。ますはオーバーホールの料金からです。
金属素材 | キャリバー種類 | ムーブメント | 正規メーカー | 時計修理専門店 |
非貴金属素材 | クロノグラフ以外 | クオーツ式 | \51,700~ | \28,000~ |
機械式 | \63,800~ | \38,000~ | ||
クロノグラフ | クオーツ式 | \57,200~ | \38,000~ | |
機械式 | \85,800~ | \40,000~ | ||
貴金属素材 | クロノグラフ以外 | クオーツ式 | \63,800~ | \28,000~ |
機械式 | \74,800~ | \38,000~ | ||
クロノグラフ | クオーツ式 | \80,300~ | \38,000~ | |
機械式 | \108,900~ | \40,000~ |
非貴金属素材:ステンレススチール、チタン、セラミック 貴金属素材:バイカラー、シルバー、ゴールド、プラチナ、パラジウム
正規メーカーにするか時計修理専門店にするかは、その時のオメガの状態によって使い分けてみてはいかがでしょうか。
並行輸入品や中古でオメガの時計を購入した場合、心のどこかで「本物だろうか?」といった疑問がありませんか?心に引っ掛かるようでしたら、一度正規メーカーのオーバーホールを受ければ安心できます。
コピー品のオメガのオーバーホールは、正規メーカーでは受け付けないからです。
時計のベルトの研磨サービスは必要ない、安くオーバーホールを済ませたい場合は、時計修理専門店となってきます。
次に優良な時計修理専門店の見つけ方についてです。
こちらにプラスして、店舗に足を運べるのであれば実際に店舗いってみるのも良いです。またオーバーホールの見積もり料金に不安を感じたら他店に出してみると相場の料金なのか判断がつきます。
オメガのオーバーホールの料金は、高額だけにしっかりした対応をしてくれる店舗に任せたいものです。良い店舗を見つけられる事を願っております。
これまで腕時計が欲しい場合、購入するしかありませんでした。しかし今は「時計をレンタル」する方法もあります。
高かったブランドの腕時計が、レンタルであればお手頃の料金で使えるのです。
レンタルですので時計が合わなかったり飽きたりすれば、短い期間で交換する事ができます。結婚式やデートなどのイベント日に合わせてレンタルもできますし、とにかく使い勝手の良いのが時計レンタルサービスです。
時計レンタルサービスの中でもコスパ、時計の取り扱い数が一番なのが「KARITOKE(カリトケ)」です。
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