高級時計ブランド

ブルガリのオーバーホールの費用は!正規店と民間の時計店、どちらに任せる?

ブルガリ(BVLGARI)は、イタリア発祥のブランドになります。時計が販売され始めたのは1970年代と、他の高級ブランドに比べると歴史は浅いです。

しかしブルガリの時計を見かける機会は多くないですか。中古市場のブルガリの時計も、数が多くにぎやかです。人気の高さが伺えます。

そんなブルガリですが、手に入れて暫く使ってくると気になってくるのが、その後のメンテナンスです。

ブルガリの時計を長く使っているので、そろそろオーバーホールしたい
中古でブルガリの時計を購入しました。いつメンテナンスしたのか不明なので、この機にオーバーホールをしたいです!

折角手に入れたブルガリの時計、長く使いたいですよね。長く使い続けるには、定期的なオーバーホールが必要になってきます。

オーバーホールは高級時計について回る宿命なのです。

このテーマでは、ブルガリのオーバーホールの費用や行うタイミング、正規店と民間の時計店の違いについて紹介していきたいと思います。

ブルガリのオーバーホールをお考えの方、または購入を検討中の方、この記事を是非参考にされて下さい。

ブルガリの時計が止まってしまう原因

初めにブルガリの時計が。止まってしまう原因について確認してみましょう。止まってしまう原因も発生しやすい、身近な原因から紹介していきたいと思います。

駆動式が「機械式」「クオーツ式」で、少々止まってしまう原因が違ってきますので、今回は分けて紹介します。

まずは「クオーツ式」からです。

クオーツ式のブルガリであれば原因の多くは電池切れ

「クオーツ式」のブルガリであれば、止まってしまう原因で一番多いのは「電池切れ」です。電池は2~3年で切れてしまいます。

電池切れの場合は、電池の交換を行う事でまた動き始めます。その他には長くメンテナンスしていない事で、止まってしまう事もあります。

メンテナンスをしていない事で止まってしまう原因
  • ムーブメント(時計の動作を司る部分)内に汚れが蓄積
  • ムーブメントを構成する部品に差してある油が切れた

また、落下やどこかにぶつけてしまったり等で、時計に強い衝撃を与えてしまった場合も止まってしまう事があります。

時計に強い衝撃を与えた事で止まってしまう原因
  • ムーブメントを構成する部品のいずれかが破損した
  • 時計の針がずれてしまった

時計の針がずれる事で止まってしまうのは、意外に思われるかもしれません。具体的に話しますと、時計の針がずれる事で針同士が接触するようになってしまうのです。

接触した状態になれば、時計自体が止まってしまいます。

とはいえクオーツ式は精度も高いので、止まってしまうといったトラブルが発生する事は少ないです。まずは電池切れから疑ってみてはいかがでしょうか。

機械式のブルガリの場合はメンテナンス不足

機械式のブルガリが止まってしまう原因で一番多いのは、メンテナンス不足によりムーブメントが動かなくなってしまう事です。

  • ムーブメント内に汚れが蓄積
  • ムーブメントを構成する部品に差してある油が切れた

機械式はクオーツ式と違い、ムーブメントは金属製の部品のみで構成されています。動力さえも金属製のバネとなります。

機械式ムーブメントは、金属部品の集合体なのです。金属部品が接触する箇所には注油が必要な部分があります。注油する事で摩耗をなくし、円滑に動作するのです。

長くメンテナンスしないと、油は酸化します。酸化しますと油は固着してしまい、時計を動作しなくなる原因となるのです。

落下等で時計に衝撃を与えた場合は、クオーツ式と同様に内部の部品が破損してしまい動かなくなってしまう事があります。

「クオーツ式」「機械式」関係なく、精密機械に衝撃を与えるのは思わぬトラブルに発展しかねません。

最新モデルになる程、耐久性は増しています。しかし用心する事に越したことはないです。

機械式が止まってしまうのは、メンテナンス不足が原因である可能性が高いです。動かなくなってしまったら、無理に動かさずオーバーホールもしくは修理に出すようにしましょう

ブルガリの時計に、こんな症状がでたらオーバーホールのサイン

メンテナンス不足により止まってしまった場合、オーバーホールが必要になってきます。ではメンテナンス不足とは、どのように判断するのでしょうか。

特に時計を落としたり等、ダメージを与えていないのにこのような症状が出た場合、オーバーホールを検討してみて下さい。「クオーツ式」「機械式」共通のオーバーホールのサインとなります。

オーバーホールのサイン
  • 動かなくなった
  • ブルガリの時計が実際の時間よりも遅れだしてきた
  • 風防(前面のガラス)の内側が曇りだした

「動かなくなった」「ブルガリの時計が実際の時間よりも遅れだしてきた」は、ブルガリの時計を長くオーバーホールに出していない場合に発生しやすいです。

実際の時間よりも、遅れだしてきた場合の判断の誤差はこちらになります。

誤差の許容範囲
  • 機械式:日差(1日単位の誤差)-10~+15秒以内
  • クオーツ式:月差(1ヶ月単位の誤差)15秒以内

機械式ムーブメントは現行モデルの日差となっています。もしビンテージ品(1970-1980年代)の機械式ブルガリをお持ちでしたら、60秒以内は許容範囲と考えられて下さい。

「クオーツ式」の場合は、月差15秒以内とかなり精度が高いので、すぐには判断がつかないかもしれません。

「風防の内側が曇りだした」の症状は、緊急性が高いです。内側が曇りだすのは、湿気が時計内部に入り込んでいるかもしれないからです。

時計は湿気を最も嫌います。錆びが進行してしまうと、最悪の場合は使い物にならなくなる可能性もあります。

いずれにしても紹介しました症状がでましたら、早めに検討された方が良いでしょう。

調子が悪くなる前に定期的なオーバーホールをする

ルガリの調子が悪くなると、時計のどこかの部品が壊れてくる可能性がでてきます。オーバーホールや修理時に部品交換が発生すると、交換費用も別途掛かってしまいます。

部品の摩耗を未然に防ぐためには、定期的なオーバーホールが効果的です。ブルガリの場合、定期的なオーバーホールのサイクルはどれくらいでしょうか。

ブルガリの公式サイトを確認すると、下記のサイクルでのオーバーホールを推奨しています。

  • 2年に一度のメンテナンスサービス
  • 3、4年に一度のコンプリートサービス(オーバーホール)

ブルガリの公式サイトはこちらです。

メンテナンスサービスは、点検作業がメインのサービスです。車に例えれば、半年点検や1年点検でしょうか。しかし点検のみではなく、電池交換等(クオーツ式であれば)も含まれています。

コンプリートサービスが正規店のオーバーホールになります。ブルガリの場合は、3~4年ごとにオーバーホールを行う事を推奨しているようです。

オーバーホールのサイクルは諸説多々あります。しかしブルガリの場合は公式サイトより提示されています。ブルガリの事を知り尽くした製造元ですので、信憑性は高いはずです。

正規店が推奨するサイクルでの、オーバーホールと考えられてみてはいかがでしょうか。

ブルガリのオーバーホールはどこで行ってくれる?オーバーホールの作業内容は?

ブルガリのオーバーホールは、「正規店」「時計修理専門店」のどちらかで行ってくれます。

しかしオーバーホールの作業内容については、「正規店」「時計修理専門店」ではサービス内容に違いがあります。

ざっくりと話しますと、時計修理専門店がオーバーホールのみに特化しているのに対して、正規店はオーバーホールを含めた総合サービスになっているのです。

サービスの範囲が変わってくれば、費用も変わってきます。

こちらの章では「正規店」「時計修理専門店」のオーバーホールの作業内容について紹介していきます。

正規店でのオーバーホール

正規店でオーバーホールを行う場合は、オーバーホールだけでなく時計のクリーニング等も含めた作業内容になります。呼び名もオーバーホールとは言わず「コンプリートサービス」と言われています。

作業内容はこちらです。

正規店のコンプリートサービス
  • オーバーホール(時計の分解→破損した部品の交換→注油、組み立て→精度検査)
  • ゴムパッキンの交換
  • 秒針やクロノグラフのカウンター針の交換
  • クオーツ式の場合は電池交換
  • 時計ケースと金属製ベルトの研磨とクリーニング
  • 防水テスト

公式サイトのホームページ

コンプリートサービスを受けた後の保証期間は1年です。上記作業にプラスにして、1年もの保証期間とは申し分のないサービスではないでしょうか。

オーバーホール都度、秒針やクロノグラフのカウンター針(クロノグラフ搭載モデル)の交換まで含まれているのが特徴的ですね。

秒針は外してしまうと、取り付けできないのでしょうか。以前別ブランドでしたが、秒針が接着剤で止めてあったモデルは見かけた事はあります。

パッキン類の交換から、防水テストが含まれているのも嬉しい限りです。防水機能の低下した古いモデル等も、このサービスで復活するかもしれませんね。

ブルガリの時計の傷が気になっていたり、防水機能に不安を感じていたり等、一緒に改善したい問題があれば、正規店のコンプリートサービスでまとめてメンテナンスしてみるのも良いのではないしょうか。

時計修理専門店のオーバーホールサービス

時計修理専門店では、オーバーホールのみを行う事になります。店舗によっては研磨や防水テストも行ってくれるようです。しかしほとんどの店舗は、別途料金になるでしょう。

作業内容はこちらになります。

時計修理専門店のオーバーホール
  • 時計の分解
  • 破損した部品の交換
  • 注油、組み立て
  • 精度検査
  • 研磨サービス(別途料金)
  • 防水テスト(別途料金)

作業内容がオーバーホールのみとなっていますので、正規店に比べて料金が安いです。保証期間は店舗によって変わってきますが、半年~1年位の所が多いようです。

時計修理専門店のオーバーホールには、1点注意点があります。

正規店では時計技術者に、腕の良い人材が揃っているのに対して、時計修理専門店は店舗によって腕の良し悪しが変わってくる可能性がある事です。

時計修理専門店は大小様々です。数が多くどんな人が時計修理を行うのか、腕が確かなのか中々判断がつかないのです。

では腕の良い時計修理専門店は、どのように探し判断したら良いのでしょうか。ポイントはこちらになります。

腕の良い時計修理専門店を探すポイント
  • なるべく規模の大きな店舗(良い人材、修理施設が揃っている)
  • 口コミの評判が良いお店

規模の大きなお店は、良い人材と時計修理を行う施設が充実している可能性が高いです。口コミの評判も重要です。インターネットで大々的に宣伝している店舗であっても、口コミを確認していると、意外に評判が悪かったりします。

口コミは、グーグルでも検索もできますし、「価格コム」に書かれている事が多いです。

時計修理専門店の場合は、いかに評判の良い店舗を探し出すかが、重要になってきます。時計修理店でのオーバーホールをお考えの場合は、ゆとりを持って探された方が良いかもしれません。

ブルガリの時計を正規店以外で購入した場合、メンテナンス料金に差はあるの?

正規店以外で時計を購入し、正規店にメンテナンスを出したとします。その時に正規品と同じ値段でメンテナンスをしてくれない時計ブランドがある事をご存知でしょうか。

ブルガリの場合はどうでしょうか。表で確認してみましょう。

修理料金に差があるブランド ブライトリング、タグ・ホイヤー、ウブロ、ゼニス、フランクミュラー
修理料金に差がないブランド ロレックス、パテックフィリップ、オメガ、ロンジン、ブレゲ、カルティエ、IWC、パネライ、ブルガリ

ブルガリは正規品であっても、並行輸入品であっても正規店オーバーホールの料金に違いはありません。並行輸入品で購入された方には朗報ですね。

購入のルート関係なしに面倒みてくれるブルガリですが、コピー品の場合は受け付けてもらえません。

中古のブルガリでコピー品が混じっているのは、たまに聞きますので中古での購入をお考えであれば、慎重に購入された方が良いかもしれません。

ブルガリの場合はどこで購入しても、料金に差のないブランドですので正規店も含めオーバーホールを選択できます。時計の状態に応じて選択してみても良いかもしれませんね。

ブルガリのオーバーホールの費用の相場

ブルガリのオーバーホールの料金の相場はこちらになります。

駆動方式 種類 正規店 時計修理専門店
クオーツ式 3針タイプ \44,000~ \25,000~
クロノグラフ \64,000~ \40,000~
機械式 3針タイプ \56,000~ \35,000~
クロノグラフ \64,000~ \45,000~

部品交換が発生しない、純粋なオーバーホール作業の料金の相場となります。部品交換が発生すれば、上記の金額に加算されます。

保証期間については、あまり差がない様に思えます。時計修理専門店に任せる場合は、保証期間も事前に確認しておくと良いかもしれません。

  • 正規店:1年
  • 時計修理専門店:半年~1年

料金に関しては、時計修理専門店の方が安いです。しかし正規店のコンプリートサービスは、時計ケースのクリーニングや研磨、防水テストといったオーバーホール以外のサービスも料金に含まれています。

一概に時計修理専門店の方が安いとは言い切れないようですね。

正規店、時計修理専門店のどちらにオーバーホールを任せるかは、やはり時計に受けさせたいサービスによってではないでしょうか。

時計の傷が気になったり、防水に不安を感じているのであれば、正規店のコンプリートサービス。オーバーホールのみで問題ない場合は時計修理専門店、と使い分けると良いかもしれません。

まとめ

今回は、ブルガリのオーバーホールについて解説してみました。ブルガリは並行輸入品であっても、正規店のメンテナンス料金に差がないのは嬉しい情報ですね。

ではおさらいしていきましょう。

まずはオーバーホールの推奨するサイクルからです。オーバーホールの推奨サイクルは、公式のホームページに記載されているサイクルとなります。

  • 2年に一度のメンテナンスサービス
  • 3、4年に一度のコンプリートサービス(オーバーホール)

メンテナンスサービスは点検作業がメインとなります。状態によってはパッキンの交換や歩度調整(テンプが規則正しく動作しているかの調整)も行ってくれるようです。

常にパッキンは新しい状態であるのは、防水の意味合いからしてもとても良い事ではないでしょうか。

次にオーバーホールの作業工程についてです。

正規店のコンプリートサービス
  • オーバーホール(時計の分解→破損した部品の交換→注油、組み立て→精度検査)
  • ゴムパッキンの交換
  • 秒針やクロノグラフ機能のカウンター針の交換
  • クオーツ式時計の場合は電池交換
  • 時計ケースと金属製ベルトの研磨とクリーニング
  • 防水テスト

コンプリートサービスで特徴的なのは、秒針やカウンター針の交換ではないでしょうか。他の高級ブランドにもコンプリートサービスはありますが、時計の針の交換はブルガリが初めてです。

時計修理専門店のオーバーホール
  • 時計の分解
  • 破損した部品の交換
  • 注油、組み立て
  • 精度検査
  • 研磨サービス(別途料金)
  • 防水テスト(別途料金)

時計修理専門店は、オーバーホール単品のサービスとなります。時計修理専門店の場合は、腕の良い店舗を探すのが一つのポイントでした。

正規店から委託を受けるような、腕の確かな時計修理専門店も存在しますので是非探されてみて下さい。

人生の相棒ともいえるブルガリの時計を、末永く使って頂ける事を願っています。