高級ブランド時計でありながらも、お求めやすい価格が魅力のタグ・ホイヤー、お持ちである方も多いのではないでしょうか。
品質は他の高級ブランドと比べても、遜色ないのに手に届きやすい価格設定と素晴らしいブランドです。そんな優れたタグ・ホイヤーですが、長く使っていくためにはどうしても必要なメンテナンスがあります。
オーバーホールです。ただオーバーホールは料金も高く、預ける期間もあるので踏ん切りがつかずに、必要な時期だと感じつつも使っていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
近くの時計屋さんにいっても料金表があるわけでもなく、インターネットで調べてもたくさんの店舗がでてきてしまってどこに任せたら良いのか分からない…
大事なタグ・ホイヤーだけに悩んでしまうものです。今回はタグ・ホイヤーのオーバーホールの料金や、オーバーホールを行う頻度等を分かりやすく説明していきたいと思います。
タグ・ホイヤーのオーナーの方、これからオーナーになられる方、是非ご覧になられてみてください。
タグ・ホイヤー等の高級ブランドの時計はどうしてオーバーホールが必要なの?
タグ・ホイヤーには、2つのタイプの駆動式の時計が存在します。
「機械式モデル」「クオーツ式モデル」共にオーバーホールは必要です。時計内部のムーブメント(時計の動作を司る部分)は金属部品の集合体です。
金属部品同士が接触する部分には、摩擦を減らす為に注油が必要となります。また長く使っていると内部に汚れが蓄積していくのです。
油が切れてきたり汚れが蓄積していくと、ムーブメントを構成する部品に負担がかかります。その為、オーバーホールを行い、内部を清掃する必要があります。
クオーツ式モデルもオーバーホールが必要なの?と、感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。クオーツ式と聞くと、機械式と違い電子部品が用いられていますし、何より精度が高いです。
クオーツ式モデルは、月差10秒以内(時間のずれが1ヶ月で10秒以内)の精度と言われています。このような高い精度で動き続けてくれると、オーバーホールを意識する方が難しいです。
しかしクオーツ式モデルであっても、歯車等の機械部品も含まれています。特に時計の針を動作させている部品類は金属部品です。
金属部品が使用されているのであれば、注油は必要になってきます。内部の汚れも同様です。
因みにですが、密封された時計の内部に汚れはどこから入り込むのでしょうか。一番多いのは、竜頭の隙間となります。ダイバーズウォッチ等に採用されている「ねじ込み式」であれば入り込む余地はありません。
しかし防水機能の高くない通常のモデルになりますと、そうはいかない様です。錆びが発生しやすい場所でもあります。
そのためタグ・ホイヤーの「機械式モデル」「クオーツ式モデル」問わずオーバーホールは必要なのです。
- 部品についた汚れを取り除く(部品洗浄)
- 部品同士が接触する箇所には、摩耗を軽減するために注油する(注油)
タグ・ホイヤーにこんな症状がでたらオーバーホールのサイン!
本来は定期的なオーバーホールが理想的です。しかし長く使っていくとどうしても、メンテナンス不足や急なトラブルに陥ってしまう事もあるかもしれません。
これからお話ししますこのような症状がでたら、早めにオーバーホールに出しましょう。
時計を強くぶつけたり、落としてしまったり等の時計に強い衝撃もないのに止まったり、時間が遅れだすのは、メンテナンス不足が原因です。
軽く振ると異音がするのも、同様にメンテナンス不足の可能性が高いです。ムーブメントの部品が取れてしまっている、もしくは破損しているのでしょう。錆びが発生しているかもしれません。
下記のようなトラブルの場合は、早めにオーバーホールもしくは修理に出されて下さい。特に水没等で湿気に侵されている場合は急いだ方が良いです。
タグ・ホイヤーのオーバーホールを行う推奨サイクル
タグ・ホイヤー正規店の、オーバーホールの推奨サイクルは「4~6年」周期となっています。
参考までに、一般的な時計のオーバーホールの推奨サイクルはこちらになります。タグ・ホイヤー正規店の推奨サイクルと近い数字です。
駆動方式 | 推奨のサイクル |
クオーツ式 | 5~7年 |
機械式 | 3~5年 |
タグ・ホイヤーの場合は、公式に発表されています4~6年サイクルを目途に、オーバーホールを考えた方が良いでしょう。
製造元からの推奨サイクルとなるからです。公式サイトを確認すると4~6年のオーバーホールの他に、2年単位に「メンテナンスサービス」を推奨しています。
確認しますとサービス内容は防水等の検査がメインとも感じましたが、クオーツ式モデルの場合は電池交換、機械式モデルの場合はテンプの洗浄を行ってくれるようです。
その他には2~3か月単位にセルフメンテナンスを推奨しています。内容は自分自身で時計についた汚れを拭き取ってあげる簡単な清掃です。
簡単な事ですが、タグ・ホイヤーにとってはとても良い事です。特に雨や汗に濡れたのであれば、拭き取ってあげるだけで錆防止にも繋がります。
「メンテナンスサービス」はひとまず置いておくとしても、正規メーカー公式の「4~6年」サイクルのオーバーホールは必要と考えるべきでしょう。
タグ・ホイヤーのオーバーホールはどんな事するの?
オーバーホールとは実際には、どのような作業を行うのでしょうか。こちらではオーバーホールの作業内容を紹介していきます。
まず、オーバーホールを行ってくれるのは「正規店」「時計修理専門店」の2つのタイプの店舗となります。
作業内容は「正規店」「時計修理専門店」によって、内容に少し違いがあります。作業内容はこちらです。
正規店 | オーバーホールを含めたメンテナンスサービス |
時計修理専門店 | オーバーホール単品 |
時計修理専門店がオーバーホールのみのサービスであるのに対して、正規店はオーバーホールのみならず、クリーニングや防水テスト等を含めたサービス内容になっています。
サービス内容が多いのであれば、正規店を選択した方が良いようにも思えますが、サービス内容が豊富である分どうしても正規店の方が料金が高めです。
ただ優れたサービスには間違いありません。まず正規店のオーバーホールサービスより確認していきましょう。
正規店のコンプリート・メカニカル・オーバーホール
タグ・ホイヤー正規のオーバーホールサービスは、「オーバーホール」と呼ばず「コンプリート・メカニカル・オーバーホール」と呼びます。
コンプリートの文言通り、オーバーホールのみならず、防水点検やクリーニング等のサービスが付加されているのが特徴です。
文字通り「時計の状態を完璧な状態」にコンプリートしてくれます。またコンプリートサービス後の保証期間も、1年つきます(ビンテージ時計は除く)。
サービス内容はこちらになります。かなり作業項目が多かったので、大項目のみを書きました。
作業名だけでは、分かりずらいかもしれませんが、実際のオーバーホールは「ムーブメント メンテナンス」の項目になります。
「ケースとブレスレット オペレーション」はタグ・ホイヤーのケースとベルトを完全に分解してしまい、クリーニングする工程です。
ベルトやケースは、汗や皮脂等の汚れが付着しやすい部分ですので、ここまで完璧にクリーニングしてくれるのは嬉しいですね。但し研磨サービスではないので、傷等はとれません。
一番最後に行う「品質管理オペレーション」には防水テストが含まれています。長年使っていると、どうしても防水機能は落ちてきますので、古いモデルのタグ・ホイヤー等はかなり有効なサービスとなるのではないでしょうか。
その他には、有料ではありますがタグ・ホイヤー正規の「ピックアップサービス」もあります。ピックアップサービスとは梱包材を事前に届けてもらい、梱包後は引き取りにきてくれるサービスです。
サイトでの申し込みができますので、店舗に行く必要もありません。こちらより申し込みができるようです。送料は全国一律\880円となっています。
http://customer-service.tagheuer.com/ja-jp/service/ask-a-pick-up-service-0
気になるサービスをピックアップして紹介しましたが、実際はもっと沢山の項目があります。タグ・ホイヤー正規のホームページはこちらです。
http://customer-service.tagheuer.com/ja-jp/service/complete-mechanical-overhaul-0
時計本体のオーバーホールに加えて、ベルトや時計ケースまでも分解してクリーニングしてしまうコンプリート・オーバーホール、素晴らしいサービスです。
オーバーホールも必要だし、時計もクリーニングしたい等の複数メンテナンスを行いたい場合に良いかもしれませんね。
時計修理専門店のオーバーホールサービス
時計修理専門店の場合は、時計内部のムーブメントのオーバーホールのみとなっています。店舗によっては、ケースやベルトの研磨サービスや防水テストを行ってくれる所もありますが、別途料金となります。
オーバーホールの内容はこちらです。
上記サービスのみですので、料金的には時計修理専門店の方が安くなります。保証期間は店舗によって違いますが、「半年~1年」の所が多いです。
作業内容の注意点としては「破損した部品の交換」です。部品交換は、別途料金となってしまいます。これは正規のコンプリートサービスにもいえます。
交換部品の発生に関しては、事前見積りを行うと交換部品の有無の連絡があるはずなので、見積り段階で把握できます。あまりに高額の場合は一旦オーバーホールを中止しても良いかもしれません。
念の為、オーバーホール前に見積り結果を知らせて欲しい事を伝えておくと安心です。
しかし交換部品の値段は、時計修理専門店の方が安い場合が多いです。腕の良い修理店になると、破損した部品を作り出す店舗もあります。
店舗によっては、ネットオークション等で探しだしてくる事も…時計修理専門店の方が正規点よりも小回りがきくようです。
料金も安めで利用しやすい時計修理専門店ですが、可能であれば評判の良いお店を見つけて下さい。正規メーカーから委託を受けているような、腕の良い店舗も存在します。
大事なタグ・ホイヤーだけに、熟練した時計技師に預けたいものです。
正規店以外でタグ・ホイヤーを購入した場合、正規店でのアフターサービスに差はあるの?
並行輸入品を購入した場合に、正規店でメンテナンスを受けると料金に差がでてくる事がある事をご存知でしょうか。
つまり並行輸入品は、正規店で保証が受けれなかったり、正規店でオーバーホールを受けると割高になってしまったりします。
勿論時計ブランドによって対応は違います。因みに正規品、並行輸入品の違いは購入ルートの違いになります。
正規品 | タグ・ホイヤーの正規代理店や直営店が販売しているもの |
並行輸入品 | 直営店から輸入業者を経由して販売しているもの |
タグ・ホイヤーの場合は、どうでしょうか。
修理料金に差があるブランド | ブライトリング、タグ・ホイヤー、ウブロ、ゼニス、フランクミュラー |
修理料金に差がないブランド | ロレックス、パテックフィリップ、オメガ、ロンジン、ブレゲ、カルティエ、IWC、パネライ、ブルガリ |
残念ながらタグ・ホイヤーは、並行輸入品で購入した場合は正規店でのメンテナンス料金が割高になってしまいます。
正規サービスでの特典を得る為には、「タグ・ホイヤー エドワード・クラブ」の会員に入会する必要があります。
しかし入会の資格に「日本国内の正規販売店でタグ・ホイヤーをご購入いただいたお客様」が対象となっているのです。
具体的に話しますとエドワードクラブ会員かどうかで、先ほど紹介しました「コンプリート・メカニカル・オーバーホール」の値段が大きく変わってきます。
保証の面も並行輸入品ですと、「正規店」ではなく輸入販売元になってきます。
購入時は正規品に比べて安く購入できる並行輸入品ですが、アフターサービスは少々不便です。正規のメンテナンスサービスの料金に差があると、利用しずらいですね。
並行輸入品の場合は、正規店以外のオーバーホールについても模索していく必要がありそうですね。
タグ・ホイヤーのオーバーホールの値段の相場
オーバーホールの料金相場はこちらになります。正規店は「コンプリート・メンテナンス・オーバーホール」の料金です。部品交換発生時は、別途追加になります。
タイプ | 機能 | 時計修理専門店 | 正規店(正規品) | 正規店(並行輸入品) |
クオーツ式 | 3針 | \20,000~ | \22,000 | \33,000 |
クロノグラフ | \25,000~ | \33,000 | \49,500 | |
機械式 | 3針 | \25,000~ | \33,000 | \49,500 |
クロノグラフ | \30,000~ | \44,000 | \66,000 |
正規店の料金は、正規品と並行輸入品の料金を分けて書きました。
正規店のオーバーホール料金ですが、正規品と並行輸入品では料金の開きが大きいですね。並行輸入品の場合は、時計修理専門店でオーバーホールをした方が良いでしょう。
お持ちのタグ・ホイヤーに防水機能の劣化を感じたり、ベルトやケースの汚れが目立つようでしたら正規店のオーバーホールを受けるようにしてみてはいかがでしょうか。
逆に正規品ですと、時計修理専門店との料金の差がそれほど大きくありません。コンプリート・メンテナンス・オーバーホールのサービス内容を考えると正規サービスの方がお得のようです。
しかし部品交換が発生した場合は、正規店の方が割高になる可能性があります。交換部品の値段も正規店の方が相対的に高くなるからです。
基本的には定期的なオーバーホールを行えば、部品交換も発生しにくいです。発生したとしても安価な部品である事が多いです。
まとめ
如何でしたでしょうか。今回はタグ・ホイヤーのオーバーホール内容や料金について紹介しました。
タグ・ホイヤーは正規品で購入するとアフターサービスが、かなりお得である事が分かりました。販売する正規店のサービスが良いとより、時計に愛着がわくかもしれませんね。
おさらいしていきます。
正規店のコンプリート・メンテナンス・オーバーホールのサービス内容
オーバーホールに加えて、ケースやベルトの洗浄、防水機能テストも含まれていました。ケースとベルトの洗浄は、完全に分解した上で1時間程度は行う念の入りようです。
次に時計修理専門店のオーバーホール内容です。
オーバーホール単品のサービスでした。並行輸入品や中古といったエドワードクラブ会員の入会ができないモデルの場合、こちらをメインにオーバーホールを行っていく事になるのではないでしょうか。
入手経路が違っていても、大事なタグ・ホイヤーに変わりはありません。良い修理店を見つけ、末長く時計を使われて下さい。
これまで腕時計が欲しい場合、購入するしかありませんでした。しかし今は「時計をレンタル」する方法もあります。
高かったブランドの腕時計が、レンタルであればお手頃の料金で使えるのです。
レンタルですので時計が合わなかったり飽きたりすれば、短い期間で交換する事ができます。結婚式やデートなどのイベント日に合わせてレンタルもできますし、とにかく使い勝手の良いのが時計レンタルサービスです。
時計レンタルサービスの中でもコスパ、時計の取り扱い数が一番なのが「KARITOKE(カリトケ)」です。
因みにカジュアルプランであれば、月3,980円でレンタルできます。
「KARITOKE(カリトケ)」の時計レンタル、これを機会に利用してみては如何でしょうか。