ブライトリングと聞くと、どんな時計を思い浮かべられますか。私はクロノグラフ搭載のパイロットウォッチを想像してしまいます。
限られた文字盤に所狭しと配置された時計の針、まるで飛行機のコクピットの様で魅力的です。そんな魅力の詰まったブライトリングですが、高級時計には避けて通れないのがオーバーホールです。
オーバーホールに出すとなると気になってくるのは、「料金」と「期間」ではないでしょうか。なるべく安く、そして早いのが理想です。
今回は、ブライトリングをオーバーホールに出した際の「期間」について語っていきたいと思います。
もしこれからオーバーホールをお考えの方、オーバーホールの期間が気になる方は是非ご覧になられてみて下さい。一番最後にオーバーホールの料金相場も紹介しています。
ブライトリングをオーバーホールに出した際に預ける期間
オーバーホールに出すとなると、「正規店」「民間の時計修理店」のどちらかになるかと思われます。今回はこの2つの店舗の、オーバーホールの期間について解説していきます。
2つの店舗では、受け付けの窓口やオーバーホールの作業内容は同じではありません。作業が多ければ当然時間はかかることになります。一概にどちらが早いとは、言い切れない部分がある事ご了承ください。
オーバーホールの期間は、見積りも含めた期間の日数で算出します。
では確認していきましょう。
オーバーホールの期間は見積り後に確定する
オーバーホールの期間は、正確には見積り後確定する事になります。見積りは正規店、時計修理店共に行います。
見積りが必要な理由ですが、中を開けてみない事にはムーブメント(時計の動作を司る部分)の状態を確認する事ができないからです。
ムーブメントの部品が、破損していれば交換が必要になります。部品が手元にない場合は、取り寄せとなるかもしれません。取り寄せとなると期間は伸びてしまいます。
また複雑な機能が付加されていれば、その分オーバーホールには時間を要する事になります。このようにブライトリングのコンディションや、モデルによって預ける期間は前後するのです。
オーバーホールはまずは見積りに出してみて、期間や料金を確定させる所からがスタートになります。
ブライトリング正規店のオーバーホール期間
国内のブライトリング正規店での、オーバーホールの期間はこちらになります。
作業内容 | 期間 |
見積り | 7~10日 |
メンテナンス・サービス | 約1~2週間 |
オーバーホール | 約4~5週間 |
見積りも含めた、オーバーホールの期間は1ヶ月半程でしょうか。郵送の期間を含めますと、トータルで2ヶ月程は見ていた方が良いかもしれません。
参考までに「メンテナンス・サービス」の期間も記載しました。「メンテナンス・サービス」とは、点検作業がメインとなるようです。
クオーツモデルであれば電池交換も行ってくれます。車に例えれば半年点検、1年点検などでしょうか。
また正規店では、ピックアップサービスの利用が可能です。ピックアップサービスは、ブライトリング正規店が梱包キットを届けてくれますので、そちらに時計を梱包し発送します。正規店ならではのサービスですね。
正規店にオーバーホールを出した際の、オーバーホールのトータル期間の目安はこちらになります。見積りも含めた期間です。
正規店でのオーバーホール期間は、長めになります。正規店に任せる際は、ゆとりを持ってオーバーホールに出した方が良いかもしれません。
時計修理店に預けた場合のオーバーホール期間
時計修理店でのオーバーホール期間は、店舗によって異なってきます。そのため、おおよその期間を紹介します。
作業内容 | 期間 |
見積り | 約1~2週間 |
オーバーホール | 約2~3週間 |
見積りも含めたオーバーホールの期間は、1ヶ月程でしょうか。正規店に比べて、約1/2程度は短縮されているようです。
しかし時計修理店は、評判の良い店舗になると予約が一杯になり待たされる事があります。人気店になると、半年待ちなんて事も珍しくありません。
待たされるのは、抵抗を感じてしまうかもしれませんが、安心して任せる事ができるのは確かです。人気店は料金も安く技術力も申し分ないはずです。
人気店を見つけられたのであれば早めに予約を取って、気長に待つのも良いのではないでしょうか。
時計修理店のオーバーホール期間の目安はこちらです。見積りも含めたトータルの期間となります。
ブライトリングをスイス本国で修理やオーバーホールとなった場合の預ける期間
ブライトリングを正規店にオーバーホールに出した際、国内では対応できずスイスでオーバーホールや修理を行う場合があります。
スイスでのオーバーホールの期間はこちらになります。
作業内容 | 期間 |
見積り | 2ヶ月~3ヶ月 |
オーバーホール | 3ヶ月~5ヶ月 |
スイスでないと対応できない時計とは、どのような時計が対象なのでしょうか。一番身近なのは廃盤品となったモデルやビンテージ時計のブライトリングです。
ブライトリングの部品の保有期間は、廃盤となって10年となっております。この期間を過ぎてしまうと交換部品は保持していない事になります。
オーバーホールや修理の時に、部品の破損があれば交換の必要がありますが、交換部品のストックがなければ対応できないのです。
恐らくスイスでは、部品を製造する施設があるのでしょう。部品を製造した上でオーバーホールを行い、調整となりますと期間が長くなってしまうのも納得です。料金もかなり高額となってしまいます。
まずは国内で対応してくれる店舗を探してみるのも良いかもしれません。国内でも時計修理店によっては、部品を作り出す技術を持った店舗も存在します。
中にはネットで同じモデルの時計を探して対応してくれるかもしれません。
ビンテージ時計のブライトリングは正規店、時計修理店のどちらに出したとしてもオーバーホール長期の期間は長期となります。半年ほどは覚悟しておいた方が良いです。
見積りの時点でオーバーホールをキャンセルした場合
見積りに出す事で、オーバーホールの期間や金額が確定する事になります。この時、料金が高すぎたり、期間がかかり過ぎる事でキャンセルしたい場合もあると思います。
見積り時点でキャンセルした場合、店舗によってはキャンセル料金が発生する事があります。見積り時点でキャンセルした場合のキャンセル料金はこちらです。
正規店の場合、確実にキャンセル料金がかかってきます。理由は、状態を確認する為にある程度分解してしまっているからです。
キャンセルとなると分解した部品を、また組立てなければなりません。分解から組立てとなると日数も必要です。キャンセル料が必要なのも致し方ないのではないでしょうか。
一方、時計修理店は店舗によって変わってきます。もしキャンセル料が発生したとしても正規店(国内分)とさほど変わらないかと思われます。
ブライトリングのオーバーホールの推奨サイクル
オーバーホールの際に部品の交換が発生すれば、料金は高くなりますし、預ける期間も延びてしまう可能性があります。ビンテージ品のブライトリングについては、交換部品のストックの有無の心配も出てきます。
交換部品を発生させないためには、定期的なオーバーホールが重要です。オーバーホールの推奨サイクルはこちらになります。
- 機械式腕時計 3~5年
- クオーツ腕時計 5~7年
腕時計は日々使用する事で、汚れが蓄積していきます。ムーブメントを構成するのは金属部品です。金属部品同士は接触していますので、箇所によっては注油が必要です。
油が切れてくると部品に負担がかかり、無理に使い続けると部品が磨耗してしまいます。このような事を避けるためにも、定期的なオーバーホールが必要なのです。
ビンテージ時計のブライトリングは、現役で使用しているのであれば少し早めのサイクル(3年辺り)で考えられた方が良いかもしれません。ビンテージ時計は、防水機能が失われていますので、こまめに点検してあげた方が良いです。
因みに正規店は、「メンテナンス・サービス」と呼ばれる点検サービスがあります。クオーツモデルであれば、電池交換も行ってくれる便利なサービスです。
もし時計の状態が不安でしたら、事前にこのサービスを受けてみるのも良いかもしれません。
機械式タイプの腕時計は、一生物と呼ばれる程長く使えます。しかしそれはオーバーホールがあっての事です。
大事なブライトリングを少しでも長く使い続ける為にも、定期的なオーバーホールを考えられてみてはいかがでしょうか。
ブライトリングのオーバーホール料金の相場
最後にブライトリングの、オーバーホールの料金相場を確認してみましょう。ムーブメント種類別の相場です。部品交換が発生しない、純粋なオーバーホール作業の料金となります。
タイプ | 機能 | 時計修理専門店 | 正規店(正規品) | 正規店(並行輸入品) |
クオーツ式 | 3針 | \30,000~ | \37,500 | \75,000 |
クロノグラフ | \40,000~ | \42,500 | \85,000 | |
機械式 | 3針 | \35,000~ | \40,000 | \80,000 |
クロノグラフ | \45,000~ | \50,000 | \100,000 |
ブライトリングにつきましては、「正規品(正規店で購入)」と「並行輸入品(正規店以外の購入ルート)」で購入した場合とでは、メンテナンス料金に違いがありますので、分けて書いています。
中古品での購入分も、並行輸入品と同じ扱いとなります。
因みに割引価格でメンテナンス・サービスを受ける場合は、事前に「クラブ・ブライトリング」に入会しておく必要があります。
正規品と並行輸入品(中古含む)では、金額の開きが大きいですね。並行輸入品や中古で購入した場合、正規店でのオーバーホールには少々抵抗を感じてしまいそうです。
逆に正規品での購入の場合は、正規店でのオーバーホールで良いのではないでしょうか。時計修理店に比べて若干高めですが、時計の研磨サービスの料金も含まれています。
研磨サービスは、単品で頼むと結構な金額です。それを考えると、正規店のオーバーホールはお得なのではないでしょうか。
まとめ
今回はブライトリングの、オーバーホール期間について解説してみました。見積りを含めての期間となりますと、意外と長くなりそうですね。
ではおさらいしていきます。各店舗のオーバーホール期間はこちらです。
店舗 | 見積り期間 | オーバーホール期間 |
正規店(国内) | 約1~2週間 | 約4~5週間 |
正規店(スイス) | 約1~2週間 | 約2~3週間 |
時計修理店 | 2ヶ月~3ヶ月 | 3ヶ月~5ヶ月 |
順番としてはまず見積りを行い、料金や工数を算出します。料金や工数が確定すると連絡がきますので、オーバーホールを進めていくのか判断する事になります。
このとき料金が高かったりした場合、キャンセルしたい場合もあるかと思われます。キャンセル料金はこちらになります。
料金が高くなったり、期間が延びてしまうのは、ムーブメントを構成する部品が破損している為です。交換部品の費用が、オーバーホール料金に加算されてくるのです。
あまりに高いようですと、キャンセルも仕方のない所ではないでしょうか。もっと安くオーバーホールしてくれる店舗を探してみるのも良いでしょう。
オーバーホールに出してしまいますと、少なくとも1ヶ月は預けないといけない期間が出てきます。普段から時計に使い慣れていると、いざオーバーホールに出してしまった時に早く帰ってこないか待ち遠しいかもしれませんね。
車の車検の様に、代車的なものがでる訳でもありませんので、時計がない不便さもあります。
しかしブライトリングを長く使い続ける為には、オーバーホールは必要な作業です。たまには、時計を労わってあげるのも良いのではないでしょうか。