時計修理 オーバーホール

時計のオーバーホールを行う頻度はどの位?最適なオーバーホールの時期

長年使っている時計や、仕事やプライベート問わず活躍している時計をお持ちでしょうか。

愛着の湧いた時計を長く使い続けるには、オーバーホールがとても重要になってきます。ただオーバーホールは、いつ行ってよいものか悩んだりする事はありませんか。

理想は、調子が悪くなる前のタイミングで、効果的にオーバーホールを行っていきたいものです。

ずいぶん長く使っているけど、元気に動いています。いつオーバーホールを行ったら良いのでしょうか?
前回いつオーバーホールを行ったか不明です。特に調子も悪くありませんし…オーバーホールは必要でしょうか?

このようにオーバーホールを行う時期は、判断できない事も多々あります。今回はオーバーホールを行う頻度について、解説していきたいと思います。

時計のオーバーホールの頻度に影響があるのは?

まずはオーバーホールを行う時期を、迷わせている原因から確認していきましょう。時計のオーバーホールの推奨するサイクルは、時計ブランドごとに設定されています。

でもそのサイクルが、近くなってきても特に問題なく動いている事も多くありませんか。例えばあまり使っていない時計は、不調にもなりづらいものです。

つまりオーバーホールの時期は、時計の使用頻度に影響を受けている事が推察できます。また、ムーブメントの種類(機械式 Or クオーツ式)によっても、オーバーホールの頻度は変わってきます。

  • 時計を使用する頻度
  • ムーブメントの種類の違い

「時計を使用する頻度」が高ければ高い程、オーバーホールの頻度は短くなります。逆に使用頻度の低い時計は、時計自体が痛まないために必然的に長くなってくるでしょう。

例えば月に数回程度しか使っていないのに、時計ブランドが推奨するサイクルでオーバーホールを行うのは少々もったいないですね。

時計の使用頻度

「時計の構造上の違い」はムーブメントの種類によって、オーバーホールの頻度は変わってきます。機械式とクオーツ式では、クオーツ式の方が簡素な作りです。

電子部品が多くの機能を補っているので、部品数が少なくて済むのです。その為、クオーツ式の方がサイクルとしては長くなります。

また機械式ムーブメントであっても、オメガであれば「コーアクシャルムーブメント」と呼ばれる耐久性が増したモデルも存在します。

「コーアクシャルムーブメント」は通常のムーブメントを比べて2倍にオーバーホールの間隔が延びています。

時計のオーバーホールを迷わせる「使用頻度」「時計の構造」ですが、把握できてしまえばオーバーホールの間隔を推測できなくもありません。

迷った場合は、まずこの2つの項目より整理してみてはいかがでしょうか。

時計のオーバーホールの頻度はどれ位が良いの?

オーバーホールの頻度について確認していきましょう。ムーブメントの種類によって頻度も変わってきますので、ムーブメントの種類別に見ていきたいと思います。

オーバーホールの頻度は時計ブランドによって、多少違いがあります。もしお持ちのブランドのホームページ等に、記載がありましたらそちらを優先されてください。

機械式腕時計

機械式腕時計の場合は、3~5年のサイクルでのオーバーホールを推奨している時計ブランドが多いです。しかしこのサイクルは、使用頻度が高い時計を指しています。

仕事、プライベート問わず通常使用している時計であれば、「時計ブランドが推奨するオーバーホールサイクル」で問題ないです。

しかし使用頻度が低ければ、もう少し長いサイクルでオーバーホールを行ってみても良いように思います。

もし推奨するサイクルになっても時計の調子が良い場合は、時計の精度から判断されてみてはいかがでしょうか。

時計は調子が悪くなってくると、時間が遅れだしてきます。時計内部の汚れや油切れが原因で動作に負荷が掛かっているのです。

因みに機械式腕時計の許容される誤差はこちらです。

モデル 誤差
現行モデル 日差±20秒以内
ビンテージ時計(1970年代以前のモデル) 日差±30秒以内

日差とは1日にずれる誤差です。現行モデルをお持ちの場合は、1日の使用で20秒以内のずれであれば許容範囲となります。

この許容範囲内を超えてしまうのを、ひとつの判断とするのです。

因みに使用頻度が少なくとも、塗られている油は5年を過ぎたあたりから劣化は始まります。そのため5年を過ぎた辺りからは、日差のチェックを定期的にされると良いかもしれません。

オーバーホールの時期に迷った時は、「使用頻度」から判断してみてはいかがでしょうか。

クオーツ式腕時計

クオーツ腕時計の、推奨する平均的なオーバーホールのサイクルは5~7年となります。クオーツ腕時計の場合は、機械式と違い電池が切れるまで休みなく動作し続ける事になります。

その間クオーツ腕時計はとても精度が高く、推奨するサイクルになっても正常に動いてくれている事が多いです。

クオーツ式の誤差は「月差:20秒以内」となります。ここまで精度が高いと機械式のように遅れている事で判断する事も難しいですね。

判断の難しいクオーツ時計なのですが、電池交換の際に交換を依頼した時計店に内部の状態を尋ねるという手があります。

作業者に修理スキルあれば、時計の内部がどんな状態なのかの判断は難しくないはずです。ないとは思いますが、もしこんな回答が返ってきたとしたら、電池交換を任せる事自体不安ではないでしょうか。

時計の状態は分かりません。
教えられません。

電池交換とはいえ、腕前が良く気軽に質問できる親切な時計店を探しだしておくのが重要です。

クオーツ式時計の場合は、時計ブランドが推奨するオーバーホールのサイクル、もしくは電池交換の都度、状態を確認しながら判断していく、にて判断してみてはいかがでしょうか。

時計が動かなくなってしまったのを機会にオーバーホールを行うのは?

時計が動かなくなってしまったのを機会にオーバーホールを行うのは、ある意味最適な時期であるのかもしれません。

しかしお勧めはできません。動かくなってしまった状態となると、内部の部品が破損している可能性が高いからです。

破損している部品以外にも、負担が掛かって摩耗してしまっている部品が存在するかもしれません。摩耗してしまった部品は、将来破損してしまう部品の予備軍です。

部品が破損してしまえば、交換が必要になります。部品代はオーバーホール料金とは別途になってしまいます。

小さな部品だからと安いだろうと、侮ってはいけません。高級ブランドになればなるほど、ムーブメントに使用している部品は高価です。

ビンテージ品の時計になると、破損している部品が用意できるかが心配になってきます。交換部品が用意できなければ、オーバーホールが行えません。

料金面だけでなく、時計の為にも調子を落とす前に対処していた方が良いです。

オーバーホールはしすぎても、マイナスになってしまう

では逆にオーバーホールの頻度を短くしてみるのは、どうなのでしょうか。時計内部の状態がクリーンに保たれて、一見良い様にも思われますが、一概にはいえません。

理由ですが、当然ながら時計の維持費が高くなります。また時計の部品には、かしめる形で部品同士を組み上げている箇所があります。何回もつけたり外したりすると、かしめる穴が広がって緩んでくるのです。

かしめて取り付けてある部品で、分かりやすいのは時計の針です。何度もつけたり外したりすると、緩んで時計の針がずれやすくなります。

酷いものになると、ちょっとした衝撃で針がずれたりします。いずれ緩んでくる特性からか、あるブランドではオーバーホールの際に、時計の針を新品に変えてしまう所もある程です。

やはりオーバーホールは、最低でも推奨する期間は使用した方が良いようです。製造元でもある時計ブランドが定めた、オーバーホールの頻度の信憑性は、高いのではないでしょうか。

時計を使わない期間の保管で気を付けたい事

時計の使用頻度が、オーバーホールを時期に影響している事が分かりましたので、使わなくなった時計の保管についても紹介しておきます。

保管するにしても、時計に負担をかけない保管の仕方があります。保管場所については、日光の当たらない涼しい場所がベストです。

その他にもう一つ大事な事があります。それはムーブメントに塗られている油を固着させない事です。

固着してしまうと、時計の動作に負担が掛かってしまいます。固着した油が原因で、動作できなくなる事もあります。

油を固着させない為の予防は、たまには動作させてあげる事です。簡単ですが重要になります。

  • 機械式腕時計:2~3ヶ月に1回
  • クオーツ腕時計:使用しなくても常時動作させておく

機械式腕時計の場合は、少なくとも2~3ヶ月に1回は動作させてあげたいところです。

クオーツ式の場合は、少々もったいなくも感じるかもしれませんが、使用していなくても常時動作させておく事をお勧めします。

時計の動作確認

クオーツ腕時計を使用しなくなった場合に、電池を抜いた状態で保管するのはよく聞きます。液漏れを防ぐ事になりますので、良い選択です。

しかしクオーツ腕時計であっても、長期間に渡って動作させずにいると油が固着してしまい、動作できなくなってしまう可能性もあるのです。

よく聞くのは長期に渡って保管していた時計にいざ電池入れると、動作はできませんが微かに秒針は反応するパターンです。こんな状態の時計をみると、もどかしいですね。

ほんの少し指先でアシストすれば動きそうな感じです。しかし自力で動作できなくなっている状態で無理に動かすと、部品が破損してしまいかねません。

長期間保管していた時計が、動き出さなかった場合は基本的にはオーバーホールで回復させた方が安全です。

時計を使わなくなってしまった場合の保管の管理は重要です。忘れてしまいがちですが、ムーブメントの種類に応じた動作確認が、時計の寿命を延ばす事になります。

まとめ

今回はオーバーホールの頻度について解説してみました。最適なオーバーホールの時期は、使用頻度から推測できるようですね。

ムーブメントに塗られている油が、劣化しだすのが5年辺りからである事もポイントです。あまり使用頻度の高くない時計でも、この期間を過ぎた辺りからは状態確認が重要になってきます。

とはいえ部品を破損させずにオーバーホールを行う判断をするのは、中々難しい部分もあるかと思われます。

もし判断が難しい場合は、時計店に持ち込んでみて状態を確認してみるのも良いでしょう。気軽に相談できる良い時計店を、事前に探し出しておくと良いかもしれませんね。

ベストなオーバーホールの時期を見定め、長く時計を使って上げて下さい。

当店でも、時計のオーバーホールや修理を行っております。何かございましたらお気軽にお問い合わせください。
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腕時計の修理やオーバーホールは時計店に持ち込みしなくとも、オンラインで修理の依頼ができるサービスも存在します。

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修理やオーバーホールに掛かる料金は、時計修理店にて受け取り後、お見積りという形になります。もし予算にあわないようでしたらこの時点でキャンセルも可能です。

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