時計修理 オーバーホール

腕時計のオーバーホールの値段はいくら?オーバーホールの作業内容や相場を徹底調査!

オーバーホール(分解清掃)と聞くと、どんな事を想像されますか?車やバイクのエンジン等を部品単位まで分解し、クリーニングを行った後に組み立てる、という工程を想像される方が多いのではないでしょうか。

腕時計にも同様にオーバーホール(分解清掃)が存在します。車のエンジンみたいに酷使する訳ではありませんが、腕に巻いて使っていると少しずつダメージを受けていくのです。

人間の汗や皮脂による汚れの付着や中の機械の油切れ等、腕時計にとって苦手なものが身近にあります。ダメージを受けた腕時計をメンテナンスするのがオーバーホール作業です。

オーバーホールする事で新品を変わらぬ性能を取り戻し、定期的に行う事で腕時計は動き続けてくれます。

では、腕時計のオーバーホールとは実際にはどのような事を行うのだろう?料金は?といった疑問がありませんか?

今回は、腕時計のオーバーホールについて述べていきます。

オーバーホール(分解清掃)とはどんな事をする?何故必要なの?

オーバーホールとは腕時計を分解し、洗浄を行い組み立てる作業の事です。車で例えるなら「車検」のようなもの。定期的に必要になってくる腕時計の点検作業です。

腕時計は、使い続ける事で少しずつ中の機械(ムーブメント)に汚れが溜まってきたり、部品の油が切れをおこします。

そのままオーバーホール等のメンテナンスを行わずに使い続けると、当然腕時計の調子は悪くなります。やがて中の機械の部品は傷みはじめ、最終的には動かなくなってしまう事にもなりかねません。

腕時計のオーバーホールは、特に機械式腕時計で必要になってきます。機械式腕時計はクオーツ腕時計の様に電池で動く仕組みではありません。

ゼンマイというバネを動力としているのですが、バネの力を腕時計を伝えるために必要な部品が多数存在するのです。

部品一つ一つに役割を持っており、その一つでも不調をきたせば時計には何らかの影響があります。多数存在するムーブメント(時計の駆動をつかさどる部分)の部品が正確に動くように、長持ちするようにオーバーホールする必要があるのです。

ロレックスなどの高級時計は一生ものです。なので、大事にメンテナンスして使う必要があります。 高い時計だからこそ3~5年に1度は手入れをしてあげましょう。そして、大事に使って上げてください。 時計はいつもあなたと一緒にいるパートナーです。

オーバーホールする事で、腕時計は蘇り全ての部品が快調に動作します。腕時計を長く愛用するための、必要なメンテナンスなのです。

オーバーホールの作業内容

オーバーホールは、大枠このような工程で作業を進めていきます。修理と同時にオーバーホールを行う場合は、故障の原因を特定してからの作業となります。

  1. 分解
  2. 洗浄
  3. 注油
  4. 組立
  5. 性能チェック
  6. 動作テスト
  7. 外装研磨、仕上げ

「分解→洗浄→注油、組み立て」の工程は、直径数ミリにも満たないネジや数センチの時計の針等、一つ一つの部品に対して慎重に作業していく必要があります。

組み立てまで終わっても、作業は完了ではありません。まだ調整や仕上げと大事な作業があります。なのでオーバーホールにはある程度の期間が必要なのです。

もし、オーバーホールに出すのであれば1ヶ月程のゆとりを持って検討された方が良いです。結婚式等のどうしても必要なイベントが待ち構えていて、間に合わせたい場合は早めに検討されて下さい。

オーバーホールは専門的な知識と技術が必要な作業であるため、急いで行えるものではないと考えておきましょう。

ではオーバーホールの各工程について記述していきます。

分解

分解

腕時計のケースからムーブメントを取り外し、ムーブメント(時計の駆動をつかさどる部分)の分解してしまう工程です。この分解作業を行う中、部品の破損が見つかる場合があります。

オーバーホールの見積り時に、基本の値段は算出されています。しかし奥深くの部品の損傷は確認できません。分解作業時に不具合が発見されることもありえるのです。

例えば、ビンテージ品の腕時計であれば、「裏おさえ」の部品が折れている事が多いです。この部品は竜頭を操作する部品のひとつになるのですが、この部品が折れていると竜頭の上げ下げを行った時にしっかり止まってきれません。

竜頭の操作時に見当もつけなくはないのですが、操作はできなくもないので、あいまいなまま使ってしまっている事が多いです。

分解している時に壊れている部品が見つかる事はありえます。分解時に見つかり、追加の料金が必要になってくる場合は連絡をしてもらうよう修理店に伝えておくと良いでしょう。

洗浄

分解した部品を洗浄する作業になります。

分解しても、汚れは付着したままの状態です。部品単位にした事で、汚れの除去がしやすくなっています。分解した部品一つ一つを洗浄します。

落としたい汚れは、長く使っている事で時計内部に溜まっていた汚れや油分の固着などです。特に固着した油はとれにくく、頑固な汚れです。

しっかり洗浄する事で部品の汚れを綺麗に洗い落とし、清潔な状態に戻ります。オーバーホールの肝となる工程ではないでしょうか。

注油

注油

組み立てる前に注油を行います。部品同士の接地面に注油する事で、部品にかかる摩耗をなくし円滑に機械を動作するようになります。

注油は必要な箇所は多々ありますが、特に重要なのは歯車を受ける受石です。

歯車の受石は、硬度の高い石(宝石)が使われています。硬度の高い石を使用する理由は、摩耗による部品の損傷を防ぎたいからです。摩耗の激しい箇所に、注油する事で腕時計の寿命を延ばします。

注油も大量に必要な箇所、極小量な場所と分かれてきます。更に油も粘度の違うものを使い分け注油します。専門知識が必要になってくる作業です。

オーバーホールのメインとなる重要な作業のひとつになります。

組立

組立

分解した部品の組み上げを行います。

分解よりも組み立ての方が大変です。分解は部品を外していくだけですが、組み上げは受石に歯車がきちんとはまり込まなければなりません。部品の数も多いので、組み立て資料等も必要かもしれません。

無理して抑え込むと歯車の先端は容易に折れてしまいます。慎重な作業が必要になってくる工程です。

分解よりも組み立ての方が難易度はあがります。時計技師の腕の見せ所ではないでしょうか。

歩度調整

腕時計の心臓部ともいえる「テンプ」が、規則正しく動作しているかを調整する作業の工程です。

機械式腕時計は、耳を澄ますと「カチカチ」規則正しい音を立て動作しています。テンプが規則正しく動いていないと、腕時計の精度が悪くなるのです。

調整は、テンプが規則正しく動作しているか測る機械、「歩度調整機」を使用します。どんな姿勢でも、時間がずれないよう腕時計を様々な角度傾けたりしながら調整していきます。

歩度調整を行う事で、腕時計の精度は格段によくなります。オーバーホールの重要な作業の一つです。

動作テスト

腕時計の持つ機能の動作テストを行います。基本的な操作として時刻合わせ、カレンダーがついてる場合はカレンダーの切り替わり、その他全ての付加機能の確認を行います。

腕時計は分解しております。組み立てた後の腕時計の動作は、オーバーホール前と何ら変わりのない動作の保証は必須事項です。

また、機械式腕時計であれば実際の時間よりも若干早めに調整されています。時計は調子を落としてくると、遅れる傾向にあります。

オーバーホールが終わり、手元に返ってきたら、日差を測っておくと良いでしょう。腕時計の調子の判断材料になるはずです。

動作テストに合格すれば、腕時計が手元に戻ってくるのは間近です。長かったオーバーホールの作業もあと少しで完了です。

外装研磨、仕上げ

腕時計のケースやベルト(ステンレススチール等の金属製であれば)の、研磨仕上げサービスです。外装の研磨は修理店によってサービスの有無があります。

研磨仕上げまで必要であれば事前に修理店にご確認下さい。

ケースやベルトも、普段使用する事で傷がついていきます。傷が多くなると光沢感がなくなり、古ぼけたような印象の腕時計に見えてきたります。

そんな印象の腕時計が、研磨を行う事で傷が目立たなくなり見違えるほど光沢感が復活するのです。

傷が多くて気になるのであれば、研磨仕上げをサービスでつけている修理店を選択するのもありだと思います。

但し、オーバーホール料金に上乗せされているケースも多く、若干高めの金額設定である事が多いです。

研磨仕上げについては、腕時計の外観より判断されてみては如何でしょうか。

オーバーホールの見積り

オーバーホールは大枠、ブランドやモデル、腕時計に付加されている機能によって値段が基本金額として取り決められています。

しかし基本金額は、部品の交換等が発生しない純粋なオーバーホールの料金となります。

※中には、オーバーホール料金内に部品交換のストック料金が含まれている場合もありますが、高額な金額ではありません。

車の車検に例えますと、新車から乗り始めた1,2回目までの車検は、部品の交換の発生が少ないので見積りに近い金額となる事が多くありませんか?

車検の回数を重ねるごとに悪い部品が発生し、見積り金額より高くなりがちです。腕時計についても同様です。長く使っている事で中の部品に不具合がでる確率は高くなります。

思わぬ金額とならないためにも、事前に見積りする事が必要になってきます。

オーバーホールの正確な金額は、分解しないとわからない

オーバーホールを行う前は、まずは見積りを聞いてみましょう。時間があれば複数店舗の見積りするとなお良いです。相場が分かってきます。

しかしまだ、正確なオーバーホールの料金が出ている訳ではないのでご注意下さい。上記でも書きましたが、見積り時点の金額は、純粋な分解清掃のみの基本料金だからです。

厳密に言いますとオーバーホールの料金は、ムーブメントを完全に分解してしまわないと金額が出ないと言われています。

分解しなければ、ムーブメントの奥深い部分にある部品の状態が把握できないのです。

傷んでしまった部品があると、交換する事になります。部品にも高いものと安いものが存在し、高い部品の交換となると基本料金をはるかに超える事も珍しくはありません。

特にロレックスやオメガ等の有名ブランドになりますと、部品単価が高いです。オーバーホール料金よりも高い部品も実際存在します。

ですので、分解した状態で追加料金が発生するようであれば連絡してもらうように依頼するのが良いでしょう。

注意点としては分解後に、追加料金が高い事でオーバーホールを中断する際です。

分解までにある程度の手間が掛かっており、組み立て戻すとなりますと更に手間が掛かる事になります。

分解後に中断となった場合に、キャンセル料金が掛かるかについても事前に確認された方が良いでしょう。

調子が悪い箇所があれば見積り時に状態を知らせておく

オーバーホールの見積りを行ってもらう際に、不具合や気になる部分があったら事前に修理店に知らせておきましょう。

気になる部分を知らせておくと、重点的に点検してくれます。早い段階でプラスとなる金額を出してくれるかもしれません。

逆に知らせていない場合、気になっていても不具合ではないと判断されれば、現状のまま渡されてしまう可能性もあります。

例えば竜頭(3時位置に配置されている時計を操作するボタン)回りは不具合が発生する事が多いです。

時刻合わせをする際に空振りする場合がある等、ちょっとした気になる事でも中の歯車が痛んでいたりする事があります。

オーバーホールに出すのであれば気になる部分は解消しておきたいものです。事前に修理店に伝えていく事をお勧めします。

腕時計の修理とオーバーホールの違いについて

腕時計の修理とオーバーホールの違いは、メンテナンスする範囲になります。オーバーホールは、ムーブメントの隅々までメンテナンスするのに対して、修理は故障した部分のみ補修します。

時計修理は、不良箇所を特定した上で修理金額が決まります。正常に動いている箇所へ手を加える事はありません。

例えば、クオーツ腕時計で急に動かなくなった場合は、電池の交換をする事になると思います。時計の中を確認した時に、電池の部分以外に不良箇所があったとしても修理は行いません。

修理業者によっては、他に故障している箇所がある事を伝えてくれるかもしれません。その時は別途の料金となりますので、必要に応じて対応されて下さい。

腕時計のオーバーホールはどこで行う?

オーバーホールは大きくは正規メーカー(ブランド)または時計専門店で行う事になります。2つのタイプの違いについてお伝えします。

それぞれメリット、デメリットがありますので特徴を捉え、自分に合った修理店を選択されて下さい。

正規メーカー店

正規メーカーのオーバーホールは、高額ですが安心して任せる事ができます。車に例えるのであればディーラー車検でしょうか。

オーバーホールは自社製の腕時計のみとなります。対象メーカー品のモデルであっても、コピー品は受け付けてもらえないです。正規メーカーに限った事ではないかもしれません。

因みにスイス製のブランドであれば、スイスまで郵送し現地でオーバーホールする事もあるようです。

スイスではないのですがドイツの有名ブランド「ジン(JINN)」は、クオーツ腕時計の電池交換でもドイツまで郵送し、現地の技術者が電池交換するほどです。電池交換を依頼で3週間はかかる事になります。

本国まで配送し、本場の技術者が作業するのであれば高い金額も納得です。国内に工房を構えていたとしても、きっと腕の良い技術者が揃っているはずです。

オーバーホールの料金は高くなりますが、安心して任せる事ができます。予算に余裕があれば、正規メーカーで行うオーバーホールが1番安全です。製造元ですので廃盤になっているような、余程古いモデルでもない限り部品のストックも保管してあるでしょう。

時計修理専門店

時計修理専門店は正規メーカーよりも安い金額でオーバーホールできます。

しかし店舗によって技術力にばらつきがあり、安心して任せる時計修理専門店を見つける事がひとつのポイントにです。

スキルのない時計修理業者になると、オーバーホールすることでかえって調子が悪くなる事例もあります、

私が以前オーバーホールに出した時計店で、こんな経験がありました。オーバーホールが終わり時計を受け取りにいくと、時計店の方が写真を分解するまでの写真を見せてくれます。

何気なく理由を聞きますと、組み立てが分からなくならないようにとのこと。その言葉を聞くと、技術的に大丈夫であったのであろうかと不安になりました。

持ち帰り動作させますと悪い予感が当たり止まってました。翌日時計店に持っていくと快く修理してくれます。しかし暫くするとまた止まってしまう…

別の修理店に持ち込み止まる原因を尋ねると、腕時計の針を強く差し込みすぎとの事でした。初歩的なミスに感じた次第です。

逆に正規メーカーをしのぐような技術力の高い修理店も存在します。私が懇意にさせて頂いてます腕の良い時計修理専門店は、いつも予約で一杯です。一流の技術者でありながらも、親切丁寧な対応が高い評価を得ているようです。

このように修理の腕前は、修理店によって大きく変わってきます。時計修理専門店に任せるのであれば、信頼の置ける店舗を見つけたいものです。

予約で一杯の修理店は腕が確かである確率が高いので、修理店を選ぶ際の判断材料のひとつとしても良いのではないでしょうか。

手前みそになりますが、当店にも腕の良い技術者がいます。日々、腕時計の修理やメンテナンスに情熱を注いでいる次第です。長年蓄積された技術力はきっとお役にたてると信じております。もしよろしければ当店につきましても、ご検討のほどよろしくお願いします。

腕時計のオーバーホール料金の相場

オーバーホール利用する事になる正規メーカー、時計修理専門店の料金の相場を表にまとめました。機械式腕時計とクオーツ腕時計の2パターンの表を用意しましたので、当てはまるタイプの腕時計をお持ちでしたら参考にされてみてください。

基本は正規メーカーの方が料金が高い場合が多いのです。しかし必ずしもそうではなく、ブランドによっては正規メーカーの方が安いパターンもあるようです。

また並行輸入品または正規輸入品かのどちらで購入したかにより、オーバーホールの料金が変わるメーカーもあるようです。正規メーカーの依頼をご検討の場合は、このあたりも事前に確認してみてください。

正規輸入品:直営店や正規代理店にて販売された商品。

並行輸入品:商社や正規契約店以外の小売店より輸入された商品。

どちらも本物になります。並行輸入品の方が安く購入できますが、正規店で購入していない為、正規店での保証が受けられない場合があります。

機械式腕時計のオーバーホール料金の相場

代表的なブランドのオーバーホールの相場を以下の表にまとめます。

有名なブランドはどれも高額ですが国産の機械式腕時計は、維持しやすい値段です。ビンテージ品の腕時計も中々魅力的ですので、メンテナンスして使われるのも良いのではないでしょうか。

ブランド 時計修理専門店 正規メーカー
ロレックス(ROLEX) ¥40,000~ ¥60,000~
ゼニス(ZENITH) ¥25,000~ ¥43,000~
ブランパン(BLANCPAIN) ¥40,000~ ¥70,000~
ブレゲ(BREGUET) ¥40,000~ ¥77,000~
ブライトリング
(Breitling)
¥40,000~ ¥80,000~
ショパール(CHOPARD) ¥30,000~ ¥48,000~
カルティエ(Cartier) ¥38,000~ ¥56,000~
オメガ(OMEGA) ¥30,000~ ¥56,000~
フランクミュラー
(Franck Muller)
¥30,000~ ¥60,000~
ブルガリ(BVLGARI) ¥30,000~ ¥56,000~
タグホイヤー(Tag Heuer) ¥25,000~ ¥48,000~
ウブロ(HUBLOT) ¥25,000~ ¥18,000~
パネライ(PANERAI) ¥30,000~ ¥57,000~
ロンジン(LONGINESS) ¥20,000~ ¥29,000~
グランドセイコー
(Grand Seiko)
¥30,000~ ¥42,000~
国産の一般的な腕時計 ¥18,000~
ビンテージ品の腕時計 ¥18,000~

 

クォーツ腕時計のオーバーホール料金の相場

クオーツ腕時計のオーバーホール料金の相場となります。

クオーツ腕時計は、精度も高く長く安定的に使えるのでオーバーホールの判断が難しい所です。不安であれば当店にご相談ください。

ブランド 時計修理専門店 正規メーカー
ロレックス(ROLEX) ¥40,000~ ¥45,000~
ブライトリング
(Breitling)
¥35,000~ ¥70,000~
ショパール(CHOPARD) ¥25,000~ ¥34,000~
カルティエ(Cartier) ¥30,000~ ¥43,000~
オメガ(OMEGA) ¥28,000~ ¥50,000~
フランクミュラー
(Franck Muller)
¥25,000~ ¥40,000~
ブルガリ(BVLGARI) ¥25,000~ ¥44,000~
タグホイヤー(Tag Heuer) ¥15,000~ ¥20,000~
ウブロ(HUBLOT) ¥20,000~ ¥12,000~
ロンジン(LONGINESS) ¥20,000~ ¥27,000~
グランドセイコー
(Grand Seiko)
¥20,000~ ¥36,000~
国産の一般的な腕時計 ¥5,000~

 

ブランドや機能でオーバーホール料金は変動する

オーバーホールはブランドやモデル、腕時計に付加されている機能によってオーバーホールの金額は変わってきます。

ムーブメントの精密な作りであったり、部品数が多かったりするとオーバーホールの難易度が上がるからです。

更に高ブランドの腕時計程、自社ムーブメント(自前で開発したムーブメント)を開発し搭載している事が多くなってきます。自社ムーブメントであれば、部品も開発メーカー独自となり、高額になりやすいです。

また、クロノグラフ等の機能が付加していますと部品数が増えたりします。作りが複雑であるほど、オーバーホールにかかる作業量と専門知識が必要です。

高額な腕時計程オーバーホールの金額も高額になってきます。また複雑な機能を持つ腕時計も同様です。

維持費(ランニングコスト)を考える

腕時計を購入する際、特に機械式腕時計を検討するのであれば腕時計の維持費の観点から選択していくのはいかがでしょうか。

不要な機能がついたモデルを選んでしまうと、普段使わないのに維持費だけ高くなってしまいます。

例えば、クロノグラフ(ストップウォッチ機能)です。有名ブランドのクロノグラフ機能のついた腕時計は格好が良く魅力的です。

限られている面積に所狭しと配置された時計の針は、まさに男性好みです。私もオメガのスピードマスターを愛用しています。

しかし、普段クロノグラフ機能を使ったりする場面は中々ありません。使わない機能ですが、クロノグラフに不具合が出てしまうと気になってしまいます。

私は正規メーカーではなく、修理専門店の方にオーバーホールを出してますが、安くしてもらっても3万5千円ほどかかっております。

定期的に出すとなるとトータルでは結構な金額です。シンプルな3針のモデルを購入しておけば、と思う事もありましたが使い続けると愛着がわき手放せなくなるものです。

腕時計は気に入ってしまうと手放せなくなります。購入前に維持費も検討材料に含めてみてはいかがでしょうか。

オーバーホールの期間について

作業工程が複雑ですのでやはりそれなりの日数は必要です。最低でも2週間から1ヶ月程は、覚悟しておいた方が良いです。

メーカーへのオーバーホールの場合は国内で行われない事もあります。その場合は、別途郵送にかかる日数も考えなければなりません。

また人気のある時計修理専門店は更に、予約で一杯になり待ち時間も発生します。長い所ですと2ヶ月待ちなんて人気店もあります。

大事な時計を預ける事になりますので、誰しも腕の良い職人に任せたくなるのでしょう。

人気の修理店ですと実際の作業の期間と、予約待ちの日数を待たなければなりません。オーバーホールに出すのであれば、期間も考え少し早めに検討する必要があります。

 

オーバーホールはどれくらいの頻度で行う?

機械式腕時計 3~5年を推奨
クオーツ腕時計 5~7年を推奨

機械式腕時計であれば一般的には3~5年、クオーツ腕時計は5~7年をサイクルにオーバーホールが推奨されています。

しかし使用頻度によって前後してくるようです。普段あまり使用しないのであれば、ムーブメントの劣化の進み具合も遅くなってきます。

私の母が使ってますクオーツ式の懐中時計は、30年近く経っておりますが一度もオーバーホールはしておりません。

但し全くといっていい程使用しておりません。ほとんどの期間を自宅にて保管したままとなっております。※電池交換だけは行っておりました。

机の引き出しに眠ったままの腕時計を推奨されているサイクルでオーバーホールに出すのも、もったいない気がします。使用頻度を加味した上で期間を割り出されてみてはいかがでしょうか。

馴染みの修理店があれば相談にいくのも良いと思います。但し水没や思わぬトラブルが発生した場合は即時に時計店へ持ち込みされてください。お急ぎでしたら当店にご相談下さい。

まとめ

オーバーホールを行うことで、腕時計を長持ちさせ、いつまでも使い続ける事ができます。腕時計に掛かる必要経費と考えてみてはいかがでしょうか。

オーバーホールを行わなければ時計は調子を落としていきます。普段良く使用している腕時計であれば、日々のダメージも蓄積されているはずです。

最近調子悪いな、と感じたのであればオーバーホールする事でリフレッシュさせ、長く使ってあげて下さい。

良い修理店を見つけられること願っています。当店の事も、ご検討頂けますと幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

おすすめのオンライン時計修理サービス

腕時計の修理やオーバーホールは時計店に持ち込みしなくとも、オンラインで修理の依頼ができるサービスも存在します。

受付け完了後、梱包キットが送られてくるので、キットに梱包して郵送するだけです。時計店に明日を運ばなくても済むのは楽で良いですね。

修理やオーバーホールに掛かる料金は、時計修理店にて受け取り後、お見積りという形になります。もし予算にあわないようでしたらこの時点でキャンセルも可能です。

WEB上で完結する時計修理サービス、検討してみるのも良いのではないでしょうか。

紹介します3社の共通点は、ハイレベルな技術力と圧倒的なコストパフォーマンスでお客さんを満足させるというところです。

どの業者も見積もりは無料で行ってくれます。興味を持たれましたらお気軽に問い合わせ下さい。

時計修理の千年堂

時計修理の千年堂は、最高の技術と低価格が魅力のコストパフォーマンスが高いサービスを提供している業者です。また仕上げのスピーディーさにも力を入れているのが特徴です。レベルの高い多くの時計技師を抱えています、工房内で切磋琢磨することで品質向上に努めています。同時に価格の方も他店舗よりも安めの設定で、申し分ありません。時計のオーバーホール専門店の面目躍如といったところでしょうか。

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株式会社CIEN
株式会社CIENは有名なメーカーの修理部門に在籍していた技術者がいる業者で、美しい仕上がりに定評があります。自社内で修理を行うため見積りや修理作業の工期も短めです。料金については『全国一安い』を自負しています。お財布に優しいのはありがたいですね。また修理でパーツ交換する場合は『純正品』を使用、価格だけではなく品質も問題ありません。保証も1年としっかりとしており、アフターフォローも万全です。
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株式会社リペスタ

リぺスタは見積り後の修理依頼率が高いというのが特徴的で、国家資格の1級時計修理技能資格を有する豊富なキャリアを積んだ職人が一つ一つ丁寧に充実した環境で作業します。特筆すべきは見積りキャンセル時に返送にかかる送料も無料である事。料金面や対応内容に不安を感じた場合もキャンセルしやすいです。料金の安さや品質に自信があるのでしょう。『修理依頼率が高い』も納得です。

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