時計修理 オーバーホール

時計の時刻が遅れだしてきたら…発生しやすい原因とその対応策を解説します!

長く時計を使っていると、時刻が遅れたり進んでみたり等の時間合わなくなってきたりする事があります。

時には、止まってしまう事もあるかもしれません。腕時計を使用する機会が多ければ多い程、このような経験をされている方は多いのではないでしょうか。

時計の時間が合わなくなってくる原因も様々です。ムーブメントの種類によっても変わってきたりします。

今回は、時計の時刻が遅れたり進んだりしてしまう原因と、その対応策を紹介していきたいと思います。

お持ちの時計の時刻が遅れてしまっている、または進みすぎてしまう等でお悩みであれば、是非ご覧になられてみて下さい。

時刻のずれは、通常どれくらいまでなら許せるの?

時間が合わなくなってくる原因を紹介する前に、時計の精度について解説したいと思います。

恐らくこの記事をご覧になられているのであれば、お持ちの時計は実際の時間よりも大きくずれているのかもしれません。

しかし誤差の許容範囲を知っておく事は調子の良し悪しの物差し代わりにもなります。誤差の許容範囲を知っておくのは無駄にはならないはずです。

ムーブメントの種類によっても時計が持つ精度は違います。今回は「機械式の腕時計」「クオーツ式の腕時計」について紹介します。

では早速、「機械式の腕時計」の誤差より確認していきましょう。

機械式の腕時計

機械式腕時計の、誤差の許容範囲はこちらです。「手巻き」や、「自動巻き」タイプの時計が当てはまります。

モデル 誤差
現行モデル 日差±20秒以内
ビンテージ時計 日差±30秒以内

「日差」とは、1日単位での時刻の誤差です。現行モデルで1日動作させて、20秒以内の誤差であれば、許容範囲となります。

1970年代以前に製造されたビンテージ時計であれば、誤差は少し甘めになります。古い時計は、元々の性能が高くないためです。

それでも1日で±30秒以内となっています。古ければ古いほど、精度を合わせるのは難しいものです。個人的にはビンテージ時計は、±1分以内位までは許容範囲としても良いような気がしています。

因みにですが買ったばかりの時計や、オーバーホールをしたばかりの時計は実際の時間よりも若干早く動くように設定されている事が多いようです。

これは長く使っていると、いずれムーブメントの油切れや汚れが原因で、時計が遅れだしてくる事を考えているのでしょう。時間が遅れてくるのは、時計の調子のバロメーターなのです。

機械式タイプの精度は、1日単位で誤差が発生と高くはないです。しかし時刻の遅れ具合から時計の健康状態を把握しやすいといった良い面もあります。

クオーツ式の腕時計

クオーツ式の時計の誤差はこちらになります。コイン電池を動力に、動くタイプの時計です。

クオーツ式:月差±20秒以内

「月差」とは、1ヶ月単位での誤差になります。クオーツ式の場合は、1ヶ月間で20秒以内の誤差であれば許容範囲となります。

機械式タイプに比べて格段に精度が高くなっています。これはムーブメントの作りの違いからくるものです。クオーツ式は時計の精度を司る部品に、電子制御部品を用いている為精度が高いのです。

クオーツ式は精度の高さ故に、調子が悪くなった事に気付くのが遅れてしまう傾向にあります。何と言っても1ヶ月間での誤差です。

精度が高すぎて、時刻がずれている事に気付いた時にはすでに故障していた…といった事もありえます。

クオーツ式の場合は、月初と月末で差分を測ってみる等の少々工夫して確認すると良いかもしれません。

どうして時計の時刻が遅れたり進んだりするの?考えられる原因

では、本題であります時計の時刻がずれてしまう原因について紹介していきます。時刻が遅れてしまう場合と進んでしまう場合とでは、少々時計の状況が変わってきます。

大まかな可能性ですが、下の図を参考になられて下さい。メンテナンス不足の場合は、オーバーホールを行う事で解消される可能性が高いです。

遅れる原因しかし「時間が遅れる」であれば、必ず安心できる訳ではありません。放置すれば必ず動かなくなってしまう事もあります。時間がずれてしまう事自体、早めに対応した方が良いのです。

一方早く進んでしまう症状は、ムーブメント内の部品に問題が発生している事が多いです。ただ、中にはテンプ(時計の心臓部)に油や汚れが付着している事で、進みすぎてしまうといった症状の軽い場合もあります。

基本は時間が合わなくなったら早めの対処をお勧めします。

電池が切れてしまった。もしくは電池残量が少なくなっている

クオーツ式腕時計で一番発生しやすいのは、電池切れによる時間の遅れや止まってしまう事です。クオーツ式の時計をお持ちで、時間が遅れてきたり止まってしまったりした場合は、まず「電池切れ」から疑ってみるべきです。

中には2秒運針(2秒刻みで秒針が動く)で、電池が少なくなっている事を知らせてくれる腕時計も存在します。

因みに電池交換のサイクルは、ムーブメントの性能によって多少前後しますが、平均2~3年程です。

電池交換のサイクル電池切れは、クオーツ式タイプであれば必ず発生するものです。可能であれば電池が切れたら早めの交換をお勧めします。

対処方法:時計修理店もしくは正規店での電池交換

時計のメンテナンス不足によるもの

メンテナンス不足が原因となる場合は、時間が遅れてくる事が多いです。原因としてはこちらが考えられます。クオーツ式、機械式共通となります。

  • ムーブメントを、構成する部品に差している油が乾いてしまった
  • ムーブメント内部に汚れが蓄積し、動作に影響を与えている
  • ムーブメントを構成する部品が、摩耗や経年劣化等で破損してしまっている

特に時計にダメージを与えた訳でもないのに、時間が遅れだしてきたら、こちらを疑ってみて下さい。

時計は、いくつもの金属部品が組み上げられ動作しています。金属部品同士が接触する箇所には、注油をする事で摩擦を少なくし、スムーズに動作させている箇所もあります。

この油が切れてくれば、スムーズに動作していた部品に負荷がかかり、動作が鈍くなるのです。また、ムーブメントに汚れが蓄積していく中で、使い続けるのも部品には負担が掛かります。

時計は日々使用する事で、微細ながらも汚れが蓄積していくのです。そのまま使用すれば、部品は摩耗していき破損してしまう事にも…

時計のメンテナンス不足はオーバーホール料金が高くなる

メンテナンス不足からくる時間の遅れは、早めに対処する事で十分に回復可能です。手遅れになる前に早めの対処をお勧めします。

対処方法:オーバーホール

時計に強い衝撃を与えてしまった

時計を高い所から落としてしまったり、どこかに強くぶつけてしまったりした事で時間がずれてしまうようであれば、ムーブメント内のいずれかの部品が破損している可能性が高いです。

打ちどころが悪ければ、動かなくなってしまう事もあります。

破損してしまう理由ですが、ムーブメントに使っている部品は小さなものです。金属製とはいえ、衝撃にもろい部品も存在します。

繊細な部品に強い衝撃が加わる事で、破損してしまう事は十分に起こりえるのです。部品が破損しなかったとしても、風防(ガラス面)が割れたり、時計ケースに傷が入ったりと外部の損傷もあります。

時計に強い衝撃

ムーブメントの部品が破損していなくても、時計の外傷が酷いと気になってきたりしませんか。少なくとも風防が割れてしまえば交換が必要ですし、ケースに深い傷が入れば研磨で傷取りをしなくてはならないかもしれません。

時計に強い衝撃を与えてしまうのは、可能なかぎり気を付けたいものです。特にビンテージ品の時計は、衝撃に弱くなります。

対処方法
  • 時間がずれてしまうもしくは止まってしまった:修理もしくはオーバーホール
  • 風防が割れてしまった:修理(風防の交換)
  • ケースに深い傷が入ってしまった:ケースの研磨

時計に湿気が侵入してしまった

時計の内部に湿気が入りこんでしまうのは、もはや時刻が遅れるどころの騒ぎではないのかもしれません。

時計の1番の弱点は、湿気や水分になります。クオーツ式、機械式共に湿気には要注意です。

密封された時計の内部に湿気が侵入してしまえば、部品の動作に影響を与えるだけでなく錆びの心配もでてきます。ムーブメントは金属部品で構成されているからです。

時間が遅れてくるにプラスして、風防が内側から曇ってきていれば湿気が原因で間違いないでしょう。酷い場合は水滴がつく事もあります。

時計は湿気に弱い時計が遅れてしまう以前に、風防の曇りが見つかったら一刻も早くオーバーホールに出すべきです。

放置すればムーブメントが錆びだらけになってしまい、修理不可となってしまう事もあります。

対処方法:オーバーホール

時計が磁気を帯びてしまった

時計にとって苦手なのは湿気のみではありません。「磁気」を帯びる事でも、時計にとっては時間がずれてくる大きな原因となってしまうのです。

特にクオーツ式腕時計は気を付ける必要があります。

クオーツ式のムーブメントには、元々磁気を持っている部品が存在します。磁気のある部品がある事で、動作を制御している箇所もあるのです。

この磁力を持った部品に、更なる帯磁をさせてしまえば時計の動作は正常ではなくなります。

よく磁気を抜くために、市販で「脱磁器」が販売されていたりします。しかしクオーツ式の時計の場合は、お勧めできません。

元々磁力を持った部品にも影響を与えてしまうかもしれないからです。もし自分で磁気抜きにチャレンジするのであれば、機械式腕時計までに留めておくべきです。

時計を磁力を発する機器類に近づけすぎるのはNG

パソコン等を使ったデスクワークをされているのであれば、仕事中は時計を外していた方が良いかもしれません。

とにかく磁気を持つ機器類に、長時間に渡って時計を近づけすぎるのはNGです。普段から気を付けたいものです。

対処方法:オーバーホール

時計が遅れだしたら、無理に動かさず早めに修理に出す

時計の時刻が遅れてくるのは、時計が出す「メンテナンスして下さい」のサインだと考えてみてはいかがでしょうか。早めに修理、もしくはオーバーホールに出される事をお勧めします。

上記で解説しました様、無理して使い続ければ、ムーブメントの部品には負担が掛かるばかりです。部品が破損してしまえば、交換部品に掛かる出費も必要になります。

小さな部品だから安いだろうと、侮ってはいけません。高級ブランドの時計になる程、ムーブメントに使われている部品も精密になり、高額になってくるのです。

有名どころの高級ブランドになると、オーバーホールの料金よりも交換部品代が高かったりする事も十分ありえます。

何はともあれ、時間が合わなくなってきたら早めの対処が一番です。部品代等の無駄な出費を抑えるだけでなく、時計を長持ちさせる事にもつながります。

まとめ

今回は、時計の時刻が遅れだす原因について解説してみました。電池切れのような軽いものから、緊急性が必要なものまで様々でしたね。

では、時計が遅れてしまう原因についておさらいしていきましょう。

時計が遅れてしまう原因
  1. 電池が切れてしまった。もしくは電池残量が少なくなっている(クオーツ式限定)
  2. 時計のメンテナンス不足
  3. 時計に強い衝撃を与えてしまった
  4. 時計が磁気を帯びてしまった
  5. 時計が湿気に晒されてしまった

番号が大きくなる程、緊急性は高くなります。基本的には時計が動いていても、誤差の許容範囲を大きく上回るようでしたら修理、オーバーホールを考えられた方が良いかもしれません。

ムーブメント モデル 誤差
機械式 現行モデル 日差±20秒以内
ビンテージ時計 日差±30秒以内
クオーツ式 現行モデル 月差±20秒以内

時計を長く使い続ける為には、メンテナンス不足からくる負担を減らしてあげるのが有効です。時には時計を労ってあげる意味でも、オーバーホールしてみてはいかがでしょうか。

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