時計修理 オーバーホール

腕時計のリューズが引けない…無理に引っ張るのはNGです!

ある朝、いつもの通り時計を手に取り、ゼンマイを巻いて時刻合わせをしようとした時!

「あれ、リューズが引き上がらない‥」こんな経験された方はいらっしゃいませんか。

突然のシチュエーションでなくても、コレクションの一つの腕時計を久しぶりに使用した時や、中古で購入した腕時計かもしれません。

リューズ操作に不具合がでると、まともに動かなくなるので困ってしまいますよね。実はリューズ周りは何かと、トラブルが発生しやすい箇所でもあります。

今回はリューズが引けなくなる原因について解説していきたいと思います。

リューズが引けないと、どうなるの?

時刻合わせができなくなってしまいます。カレンダー機能がついた腕時計であればカレンダー操作などの調整もできなくなってしまいます。

腕時計の操作についてですがノンデイトタイプ(カレンダーなし)は一段引きで時刻合わせ、カレンダー機能のついた腕時計でしたら、一段引きした状態でカレンダー操作、もう一段引き上げると時刻合わせを行えます。

クロノグラフ機能のついた時計であっても、無関係ではありません。クロノグラフ針がリセット時に12時位置からずれた場合に、調整の為に引き上げが必要な時計も存在します。

このようにリューズが引いた後の操作としては、腕時計全般の調整ができます。腕時計にとってはとても重要なのです。

リューズが引けなくなる原因

次にリューズが引けなくなる原因について解説していきます。発生しやすい5つのパターンを紹介します。

リューズが引けなくなる原因
  1. リューズ操作に関連する歯車の噛み合わせが悪い
  2. 腕時計のメンテナンス不足
  3. リューズ操作に関連する部品にゴミが付着してしまっている
  4. リューズ関連部品が錆びてしまっている
  5. リューズ操作に関連する部品が破損している

リューズが引けない原因は、ほぼいずれかのパターンなるはずです。症状が軽いものから解説していきますので、当てはまるものがあるか、確認してみて下さい。

リューズ操作に関連する歯車の噛み合わせが悪い

リューズを引き上げる時に、たまに硬く感じる事はありませんか。これはリューズ関連の歯車の噛み合わせが悪く、引き上げできないのです。

対処としては、ほんの少しで良いので、リューズを前後に回してみて、再度引き上げるとスムーズに引き上げる事ができたりします。

リューズを回す事で歯車が噛み合い、通常の操作が可能な状態に戻るのです。

数年前、質屋に中古の時計を見に行った時の事です。店員さんが時計の説明をしてくれるのですが、リューズを引き上げようとしても上がりません。

店員さんは結局リューズを少し回してみる事なく力任せに引っ張り上げていた訳ですが…腕時計の部品は繊細なので、なるべく負担は避けたいところです。

引き上げが硬いと感じたら、無理をしない事が肝心です。少しリューズを回して様子を見てみましょう。

また本来噛み合うはずの部品の歯車が、戻りきれないのは、メンテナンス不足の予兆といったところでしょうか。

腕時計のメンテナンス不足

腕時計を長らくメンテナンスしない事が原因で、リューズが引き上がらなくなる事もあります。

リューズ関連の部品にも注油されていますが、油切れを起こすとスムーズに部品が動かなくなるからです。

最近、油切れが原因でリューズが引けなくなった腕時計を修理したのですが、やはりアンティーク時計でした。因みに修理の内容を動画に取っています。もし興味がありましたらご覧下さい。

リューズの引き上げが硬い、リューズを少し回して引き上げる機会が多い、といった事が続くようでしたら、メンテナンス不足の可能性が高いと思って良いようです。

リューズ操作に関連する部品にゴミが付着してしまっている

リューズ操作関連の部品に、チリやホコリなどのゴミが付着する事でリューズの引き上げができなくなっていることもありえます。

リューズとケースの間には極々小さな隙間があり、その隙間から少しずつ侵入してくるのです。

もちろん高機能な時計になればなるほど密閉性が高まり、入りづらくなるのですが、構造上完全にシャットアウトする事は難しいのではないでしょうか。

とはいえ操作に不具合が出る程のゴミの量、蓄積するのにはかなりの時間は要しそうです。チリやホコリが原因となる腕時計は、現行モデルよりもアンティーク品等の古い時計で見かける機会が多かったように感じます。

チリやホコリの蓄積もメンテナンス不足の部類と考えても良いのではないでしょうか。

リューズ関連部品が錆びてしまっている

リューズを操作する部品が錆びてしまうと、錆びの固着からリューズが引けなくなる事があります。錆びの箇所によってはリューズを動かす事自体ができなくなっているかもしれません。

「錆びなんて滅多に発生しない!」と思われるかもしれませんが、そうとも言い切れません。水没などの水に浸してしまうだけではなく、「人間の汗」からくる湿気が侵入する可能性もありえるからです。

湿気で錆びている時計は、なんといってもアンティーク時計などの古い時計で見かける事が多いです。酷いのになると、リューズの巻き芯が錆びて今にも折れてしまいそうな…そんなアンティーク時計もいました。

錆びが発生していた場合は、無理には動かさない方が良いです。修理というよりオーバーホールが必須となってくるのではないでしょうか。

リューズ操作に関連する部品が破損している

リューズ操作に関連する部品が破損している場合も、リューズを引けなくなる原因の一つとして考えられます。

リューズ回りの部品類は、操作するだけに負荷がかかりやすく摩耗しやすいです。その他にも油切れ、ゴミの付着や錆び等、リューズ回りの部品は意外にも過酷な状況で使われています。

過酷なだけに部品類が破損してしまうのも致し方ないといった所でしょうか。

リューズ関連部品で特に破損が多いのは「裏押さえ」になります。細いカギ手のような箇所が常にテンションが掛かっている為か、折れてしまう事が多いようです。

部品が破損してしまえば、交換が必要となり修理代金も高くなります。可能であれば、部品を破損させてしまう前に対処したいものです。

リューズが引けなくなった時計の修理はできる?

修理は可能です。修理というよりはオーバーホールが必要な場合が多いのではないでしょうか。リューズが引けなくなる原因は、メンテナンス不足からくるものが多いからです。

また部品が破損していた場合は別途、部品代が修理に上乗せされてきます。錆びも腐食の状態が酷いと交換が必要です。

部品の破損を伴う修理の可否については、交換部品のストックの有無にかかってきます。修理店舗の在庫に依存するので、断られたとしても数店舗問い合わせしてみるのが良いです。

リューズが引けなくなるのは、油切れや部品の破損が原因となる事が多い事からもオーバーホールを進められる事が多いかと思われます。

オーバーホールの料金については、ブランドやモデルによって変わってきますので、別途見積もりされてみて下さい。

リューズが引けない等の不具合を避ける為には

一番のベストは定期的なメンテナンス、つまりオーバーホールを行う事です。ただランニングコストを考えるとそこまでの金額を掛けるのは…と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

となると、なるべくリューズ操作関連の部品を疲弊させない事にかかってきます。油切れを起こすのは仕方がないとしても、部品のパーツの破損や錆びの侵入を防ぐように気を付けられてみてはいかがでしょうか。

例えば腕時計が雨に濡れたり、腕に汗をかいたりしたのであれば、水分を拭き取ってあげるなどです。

かみ合わせの悪さからリューズが硬くて引けない場合は、力任せに引き上げないのも大事です。

基本的には普段愛用している腕時計を大事に扱ったあげる思いがあるだけでも、大分違うのではないでしょうか。

まとめ

今回はリューズが引けなくなる原因について解説してみました。改めて原因を確認すると、ある日いきなりリューズが引けなくなったというよりは、油切れを起こすと共に硬くなってきているようです。

引くのが硬くなると、つい強く引っ張りがちですが、腕時計の部品は小さく繊細です。なるべくは避けましょう。

リューズを引くのが硬くなり、それでも使い続けるとやがて部品が破損してしまうと、原因を確認してみるとリューズが引けなくなるのはある意味、時計の内部の状態を判断できそうではありますよね。

この際、リューズ操作をメンテナンスのバロメータとしてみては如何でしょうか。

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