ブローバ(BLOVA)という時計ブランドはご存知でしょうか。もしかしますとブローバで検索されてきた方もいらっしゃるかもしれませんね。
ブローバですが、実は歴史のある時計ブランドなのです。長い歴史があるので、魅力的なアンティーク時計も数多くあります。
私自身は副業で古い時計を扱ってきましたが、ブローバはアンティーク時計の中でも、お気に入りのブランドの一つです。
今回はブローバの、更にアンティーク品に限定した、時計の魅力について語っていきたいと思います。
年代でいう1940〜1960年代辺りの時計を中心に話していきます。ムーブメントは機械式、手巻きや自動巻きの腕時計です。
ブローバのアンティーク品に興味がある方、ブローバの時計を購入検討の方などブローバに興味のある方は是非ご覧下さい。
ブローバとはどんなブランドなのか確認してみよう
ブローバはアメリカ発祥の時計ブランドになります。創業は1875年、発祥の地はニューヨークです。かなり古い時計ブランドです。
アンティーク時計に良いものが多いのも頷けます。
アメリカ発祥で有名な時計ブランドといえば『ハミルトン』や『エルジン』といったところでしょうか。それとあまり日本で有名ではないかもしれませんが『イリノイ』もそうです。
ミリタリーウォッチで有名な『ルミノックス』なども。意外にアメリカの時計メーカーは多いですね。
ブローバは1900年代初頭にはスイスに生産工場を構える事になります。
ブローバのアンティーク時計は、上品でいかにもスイス製といった雰囲気があるのですが、スイスで製造しているのが理由にあるのかもしれません。
1960年代になると有名な『アキュトロン』が発売されます。クオーツではありませんが、一部電子制御部品を使った時計です。
この年代に電子回路を使って時間を制御する時計を発明するのはすごい事なのではないでしょうか。
私は時計を数多く仕入れてきましたが、アキュトロンは手にした事はありません。値段が高くて手が出ませんでした‥
それと基本的には、ジャンク品を仕入れて修理するスタイルだった事も影響しています。アキュトロンのような珍しい時計を修理する自信もなかったです。
その後もブローバは、発展を続け現在に至る訳です。150年近くも続く時計メーカー、『すごい』の一言です。
ブローバのアンティーク時計の特徴
次にブローバのアンティーク時計の特徴について話していきます。ビンテージ品ならではの雰囲気を持つ、ブローバの特徴を深掘りしてみましょう。
トノー型の腕時計
ブローバのアンティーク品というと、トノータイプの時計を思い浮かべませんか。トノー型、つまり四角い形状の時計ケースになります。
現在は丸いラウンド型が多いので、形だけでも珍しいですよね。もちろんブローバにもラウンドタイプ(丸形)の時計も沢山あります。
しかしこの年代のブローバではトノータイプの方が見かける機会は多いです。
形状は時計ケースのみにとどまりません。なんと中身のムーブメント(時計を動かす本体)も四角い形状なのです。
ムーブメントをケースと同じ形状にするメリットは、何と言っても時計本体をスリムにできる事です。ラウンドタイプ(丸型)のムーブメントを使うと、どうしても丸みのある分幅を広げざるを得ないです。
もしくはムーブメントを小型化するとか…小さくするのは技術力あってからこそではありますが、どうしても非力になってしまうような想像をしてしまいます。
やはりケース一杯にきっちりと収められている方が印象良いですよね。
ケースのみにどまらず、ムーブメントまで四角い形状は現代の時計にはないもの。それだけでも魅力的ではありませんか。
小ぶりなのに派手なゴールド色の腕時計
ブローバに限った事ではありませんが、この年代の時計は総じて小さなサイズになります。ラウンドタイプの平均サイズは32ミリ前後です。
現代の時計と比べるとレディースといっても良さそうなサイズです。ブローバのトノー型になると、横サイズは30ミリを切っています。
ムーブメントも四角い形状なので、スリムにできるのです。縦サイズは30ミリを超えています。
小さいな、物足りなさそう‥サイズだけだとこんな思いではないでしょうか。
しかし小さいサイズであっても、色合いはゴールドとかなり派手で存在感があります。ある意味サイズ感を感じさせてくれません。
ケースの素材は、10kまたは14kの金張り製が多いです。金張り製は金メッキと違って厚みがあります。薄く伸ばした金を巻いているような形状なのです。
そのため一見純金にも見える豪華さです。
私自身実際に経験したのは、金張り製の時計と思い購入したものが、実は純金製だった事です。
特に印象深かった純金時計のエピソードをお話します。入手したのはシルバーのケースのアンティーク時計。シルバー色だったのでステンレススチール製と思っての購入でした。
いざ手にしてみるとケースに素材の刻印がありませんでした。通常は裏蓋にケースの素材が刻印されています。金張り製であれば『14k GOLDFIELD』といった具合です。
しかしその時計は刻印がないのです。気になって裏蓋を開けてみると。裏蓋の裏側、つまりムーブメントが収まっている方に『SOLID GOLD』の刻印がありました。
ホワイトゴールドの純金ケースだったのです。煌びやかなケースは伊達ではありませんでした。
思わぬお宝に巡り会う可能性があるのも、アンティーク時計の良いところです。純金ケースのブローバ、探してみませんか。
秒針はスモールセコンド
秒針の配置はブローバに限った事ではありませんが、秒針は文字盤の下の方に、配置されている事がほとんどです。
スモールセコンドと呼ぶのですが、この秒針の配置も現代の時計にはない形状で魅力的なのです。
米粒みたいに小さな秒針が、定期的に回る様は、古き良き時代を感じずにはいられません。
因みにこの年代は、スモールセコンドが通常の位置の形状ですが、徐々にセンターに配置された時計が多くなっていきます。
センターセコンドの創成期は珍しかったためか、シチズンは時計のモデル名に『センターセコンド』の名前で販売した時計も存在するほどです。
いち早くセンターセコンドを取り入れたのでしょうか。
今となってはスモールセコンドの時計は珍しい一品です。コレクションとして持っておくのも悪くはありません。
ムーブメントは手巻き
時代が時代なので当たり前と言えばそれまでですが、ムーブメントは手巻き式になります。
精度の高いものではありません。日差(1日動作時の誤差)も1分以内なら良い方です。しかしここにも現代の時計にはない、アンティーク品ならではの魅力があります。
この時代のムーブメントの、性能は毎時18000振動です。このロービートの駆動音が良いのです。
前述しましたが、ブローバ製のムーブメントは、ケースと同じ形状になっている事が多いです。ケースの面積を無駄なく使用、つまりは部品一つ一つは大きめで頑丈です。
機械式ムーブメントはよく一生物と言われますが、ブローバのアンティーク時計も同様なのです。
ただこの時代の時計は、ショック機能(外部からの衝撃に耐える機能)がついていませんので、落としたり強くぶつけたりしないようにご注意下さい。
注意点はありますが、オーバーホールすれば使い続ける事ができるアンティーク時計、魅力的です。
ブローバのアンティーク時計はどこで購入できるの?
『ブローバの時計の魅力は良く伝わりました』では実際にはどこで購入できるの?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの章ではブローバのアンティーク時計が購入する方法について解説します。
まず前提としては1950〜1960年代の古い時計なので正規のルートからは購入できないとい事はご了承下さい。
年代が経っていますので、様々な状態の時計が存在します。良い一品を手にするには時計を見定める眼力も必要になってくるかもしれません。
『悩んでしまったら一旦検討』の慎重なスタンスでいきましょう。
アンティーク時計の専門店
古い時計を専門に販売している店舗になります。古い時計の専門線だけに、ブローバのアンティーク時計が置いてある可能性はかなり高いです。
お店の看板があるだけに良い状態まで仕上げて(オーバーホール)販売されているはずです。
専門店のプロはメンテナンスしているので、安心して使えそうです。実店舗のみの販売だけではなく、インターネット通販も行っている場合も多いので使い勝手も良いです。
気になる点とすれば価格が高い事です。状態も良くオーバーホール済みとなれば値段相応なのですが10万近くなってくると考えてしまいませんか。
この値段だともう少し奮発すれば高級ブランドのエントリーモデルが購入できそう‥と元も子もないような事を考えてしまいます。
安心して購入できる事は間違いないので、予算が許すのであれば利用して良いのではないでしょうか。
ネットオークションやフリマ
ネットオークションや、フリマサイトでもブローバのアンティーク時計が出品されている事があります。
ネットオークションやフリマを利用するメリットは、とにかく価格が安い事です。アンティーク時計専門店の半値以下、いやもっと安く購入できるかもしれません。
しかしデメリットもあります。まずは未整備品である事。ムーブメントの状態は時計が到着して開けてみないと分からないといった玉手箱状態です。
部品の破損がありながらも動いている時計も珍しくはありません。
一方でお宝が眠っている可能性もなくはありません。純金製のアンティーク時計を買ったのも某フリマサイトでした。
ネットオークションやフリマサイトを利用する場合は鉄則があります。『冷静である事』です。
その他にも注意点があります。もしネットオークションでの購入を検討されていましたら心の何処かにとどめておいて下さい。
基本的な事ではありますが、欲しいものが見つかると意識が、商品に行き過ぎて見落としがちです。またオークションやフリマは競合相手がいるため、熱くなってしまう傾向にあります。
オークション歴10年以上の私でさえ、未だに釣られて相場以上の金額を入札してしまうほどなので…
似たような時計は次から次へと出品されてきます。予算より高いと思えば、縁がなかったと気持ちを切り替えて下さい。
まとめ
今回は、ブローバもアンティーク時計に絞ってその魅力について語ってみました。アンティーク時計は数多く見てきましたが、ブローバの時計は特に良かったです。
小さいボディなのに存在感があってしっかり動作する。こんな良い印象が未だに抜けきれません。中には壊れて状態の悪いのもあるのはあったのですが‥
アンティーク時計の良さは、全て一品物である事です。同じモデルでも状態は千差万別です。文字盤に汚れや傷のある時計もあるかもしれません。
そんな時はこの時計が持つ個性だと、割り切って愛用してみては如何でしょうか。ロービートの駆動音は、きっと貴方の心を和ませてくれます。
腕時計の修理やオーバーホールは時計店に持ち込みしなくとも、オンラインで修理の依頼ができるサービスも存在します。
受付け完了後、梱包キットが送られてくるので、キットに梱包して郵送するだけです。時計店に明日を運ばなくても済むのは楽で良いですね。
修理やオーバーホールに掛かる料金は、時計修理店にて受け取り後、お見積りという形になります。もし予算にあわないようでしたらこの時点でキャンセルも可能です。
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